バイデン氏の「ごみ」失言、トランプ氏にとって大きな後押しか
陣営でのバイデン氏の役割は縮小
29日の件を受け、ハリス陣営でのバイデン氏の役割については新たな臆測が生まれる公算が大きい。6月のテレビ討論会での低調なパフォーマンスの後、高齢と認知能力への疑念からバイデン氏は選挙戦から撤退。以降、何度かハリス氏と公の場に姿を見せているが、直近の数週間はそうした機会も減ってきていた。CNNが報道したように、同氏の失言に対してはハリス陣営の幹部の一部も、当惑や怒りといった反応を示している。 先週、バイデン氏はニューハンプシャー州でトランプ氏に言及。「彼を収監しなくてはならない」と発言した後すかさず、「政治的な収監だ」と付け加えていた。 このコメントは保守系のラジオ番組やソーシャルメディアで拡散し、共和党支持者らはトランプ氏の従来の主張が正しかったことが証明されたと強調した。トランプ氏はバイデン氏について、司法省を武器化して自分を攻撃しているとの見解を示している。 バイデン氏は26日にもアリゾナ州で、共和党のギャビー・ギフォーズ元下院議員に過去形で言及し、本人がもう生きていないような印象を抱かせていた。ギフォーズ氏は11年の選挙イベントで頭部を銃撃されながらも一命を取り留めた人物。 側近らはこうした失言を「バイデン流」として意に介さないが、同時に今はミスが許される状況ではないことも認める。CNNの報道によれば、バイデン氏の役割を巡る話し合いに携わるある当局者は「我々は『無害モード』に入っている」と説明した。 そのモードからはみ出してしまったのが、29日の夜だったということか。 ◇ 本稿はCNNのスティーブン・コリンソン記者による分析記事です。