世界で需要拡大が期待される「AI」と「原子力発電」にフォーカスしたETF、7月25日に東証にそろって上場
現在、投信市場では、全世界株式インデックスである「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動するインデックスファンドに人気が集中していますが、全世界の株式に幅広く投資すれば、当然、成長力の衰えた企業などもポートフォリオに入ってきます。世界経済全体の成長に投資するという考えは、いわゆる「コア・サテライト戦略」のコアの投資として重要ですが、サテライトの部分で、強烈な成長が期待される「AI」に関連する企業に投資するというようなETFも併せて持っていただくことで、投資に楽しみや豊かさが増えるのではないでしょうか。
――「グローバルX ウラニウムビジネス ETF <224A> 」の特徴は?
長谷川 地球温暖化が世界的な関心を高める中、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出が比較的少ない電力源として期待される原子力発電と、その燃料となるウランに関連する企業に投資するETFです。現在のポートフォリオは、ウランおよび原子力関連のビジネスを行う企業48銘柄で構成されています。
原子力発電による二酸化炭素排出量は化石燃料による発電と比較すると極端に少なく、太陽光発電や地熱発電、水力発電より少ない水準です。しかも、風力や太陽光など自然の条件によって発電量が左右される電源と比較して電力を安定的に供給できるという大きなメリットがあります。「核のゴミ」の問題などがあって、将来的には見直される発電方法かもしれませんが、当面は脱炭素を進める地球規模の課題解決手段として原子力発電の新設は大きな動きになると期待されています。
現在、世界全体では運転可能な原子炉が439基あり、建設中の原子炉が61基あります。また、従来の大型原子炉と比較して安全性が高いと考えられている小型モジュール炉(SMR)が注目され、現在、アルゼンチン、カナダ、中国、ロシア、韓国、米国で50基以上のSMRが建設中、または、認可段階にあります。2023年12月にドバイで開催されたCOP28(第28回気候変動枠組条約締約国会議)において、日本、米国、フランス、英国などを含む23カ国が「2050年までに2020年比で世界全体の原子力発電容量を3倍にする」旨の共同宣言を発表しています。世界的な原子力発電需要の拡大の背景になっています。