阪神・藤川球児監督、国内FA行使表明のソフトバンク・石川獲得は「頭の中に入ってない」
阪神・藤川球児新監督(44)は8日、同日に国内フリーエージェント(FA)権の行使を表明したソフトバンク・石川柊太投手(32)の獲得に消極的な姿勢を示した。通算56勝右腕について「僕の頭の中には入ってない」とキッパリ。さらに「十分に自分たちの戦力に自信を持っている」と強調した。 キッパリと否定した。セ・リーグ屈指の投手力への自信と分厚い信頼が、藤川監督の思い描く戦力補強の道筋をくっきりと照らしてくれた。この日、ソフトバンク・石川が国内FA権の行使を表明したが、〝直球〟の回答を投げ込んだ。 「はっきり、僕の頭の中には入ってないです。今のところは。自分たちのチームに素晴らしい選手たちがいる。あるなしというか、十分、自分のチームで今、いい投手たちがたくさんいるな、というのが実感としてあります」 報道陣に鷹で通算56勝を積み上げた右腕への方針を問われ、淡々とした口調で説明した。石川は今季15試合(10先発)に登板し、7勝2敗、防御率2・56の成績を残した。2020年シーズンには11勝3敗で最多勝と勝率第1位のタイトルも獲得。経験も豊富だが、球児虎の新戦力候補にはなり得なかった。 「今の選手たち、ドラフトでも獲っていますけど、十分に自分たちの戦力に、僕自身が自信を持っているので」 育成重視の虎は将来を見据えたドラフト戦略で金の卵を迎え入れてきた。先発陣は20代の才木らが中心となり、来季高卒3年目の門別ら、伸び盛りの若虎も控えている。先発、中継ぎ陣ともに戦力がそろっており、虎将は「何回も言いますけど、今いるうちの選手に対する自信はありますから。そういう意味で、補強うんぬんというよりは自分たちの戦力に自信がある」と力を込めた。 阪神は粟井球団社長が「(必要と思う)戦力が出てくれば、獲りにいこうという考え」と、6年ぶりにFA補強に乗り出す可能性を示唆しているが、石川に関しては〝スルー〟する予定。藤川監督が現有戦力への自信をさらに深めるため、高知・安芸で若虎を鍛え、戦力の底上げを図る。(新里公章)