入浴環境を整備してヒートショックを防ぐ、4つのポイント。シャワーを使って浴槽にお湯を張り、浴室を温める
人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。 * * * * * * * ◆浴室で起きやすいヒートショック 冬に気をつけたいのが「ヒートショック」です。 家の中の急激な温度差がもたらす体への悪影響で、浴室で起きるケースがとても多くなっています。 暖かい居間から寒い脱衣所に移動して服を脱ぎ、今度はいきなり熱いお湯に入るとすれば、血圧が急上昇・急降下を繰り返し、心筋梗塞や脳梗塞、失神、不整脈などを引き起こします。 ヒートショックから身を守るには、入浴時のちょっとした工夫が必要です。
◆ヒートショックから身を守る方法 (1)脱衣所や浴室などに暖房器具を置く 脱衣所や浴室は北側に配置されていることが多く、どうしても室温が低下しがち。そこで、小型の暖房器具を置き、居間との温度差をできるだけ少なくします。窓を二重にするといった、断熱性を向上させるリフォームも効果的です。 (2)シャワーを使ってお湯を張る シャワーを使って浴槽にお湯を張ると、浴室全体の室温が高くなります。 (3)1人のときに入浴しない 激しい血圧の変動は失神を招くこともあります。浴槽内で失神して溺れてしまうケースもあり、できれば家族がいるときに入浴するようにしましょう。 (4)食後・飲酒後の入浴は避ける 食後1時間以内は血圧が下がりやすいので、入浴を控えましょう。アルコール摂取後も血圧が下がりやすいため、そのタイミングで入浴すると意識を失うリスクが高くなります。そもそも、飲酒後の入浴は高齢者に限らず厳禁です。
保坂隆