フランスが世界をリードした時代 坂道発進が苦手 S600クーペの思い出【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】
■シトロエンアミが好き
(シトロエンのアミが好きだという読者の方からの、現代にアミが復活したら……と思うと楽しくなる、最近、再びシトロエンに乗ろうかなと思い始めている、との声に) シトローエンのアミはパリにいた友人が乗っていました。シトローエンのアミとルノーのキャトルはどちらもフランス的なクルマです。いっぽうでシトローエンの2CVにしてもDSにしても、その独創性に世界中のメーカーが驚いたクルマでした。 特にシトローエンのDSはシャシこそ古いものを使っていますが、ハイドロニューマチックサスペンションやセミオートマのトランスミッションなど、それこそシトローエンの粋を集めたようなクルマです。 ぜひ一度DSにお乗りください。1975年まで生産され、廉価版にIDというモデルもありました。私もチャンスがあれば毎日乗りたいと思います。今でも古さを感じさせないDSに!
■車内での喫煙マナー
(徳大寺さんは車内でもタバコを吸われるのですか?自動車とタバコはいい時間をくれるものだとずっと思ってきたが、最近は灰皿のないクルマも多く寂しくなった。徳大寺さんはどう思われますか?という質問に) もちろん、自分のクルマではパイプをやります。他人のクルマに乗せてもらう場合は、断ってからやりますが、これは礼儀の問題でしょう。 私の場合はパイプなのでタバコよりも香りが強いので、相手によっては考えます。オープンでもクローズドでも相手のことを考えて、やることにしています。 メーカーが開く試乗会にはタバコをやれるクルマとそうでないクルマがあります。これも大切なことでしょう。とにかく礼儀を重んじることが大人にとって大切だと思っています。
■S600クーペの印象
(ホンダのS600クーペのかっこよさにたまげたという読者の方の、「当時のホンダS600クーペの評価はどんなものだったのでしょうか?」という質問に) 私はこのクルマを所有していましたが、決してかっこいいと思ったことはありませんでした。S500に始まりS600、S800と続きますが、やはりS800が一番よかったですね。 少々うるさいのと乗り心地があまりよくないことが欠点でしたが、S800になってだいぶ改善されました。 S600クーペはオープンよりも実用的でしたが、何度も言うように乗り心地が悪く、おもしろくはありましたが、欠点も多かったのです。ブレーキがディスクでないためプアだったのと、直進性もよくありませんでした。 最後はレースにも使いましたが、少しの改造でレースに出られることはこのクルマのいいところでした。今思うと愛着があまりなかったのでしょう、2年ほどで売ってしまいました。