【自分らしさって何?】「自分らしさ」なんて他人からの評価でしかない。マイブームという言葉の生みの親、みうらじゅんが考える「推し活」と「大好き」の違いとは?
みうら:自分らしさって、あくまで他人からの評価だから。 田口:みうらさんも言っていたけれど、比較しないことですよね。比較三原則! 他人と比較すると、幸福になることもある一方で不幸になったりもするから、もう比較はなし! みうら:〇〇らしさって言葉。きっと誰かがその裏で儲けている気がするんだけどね。そういう商法に騙されたらいけないと思います。そもそも、誰も自分らしさなんて分かんないんだから。たとえば、「トモロヲさんらしいね」っていうのは、他人が言うことであって、トモロヲさんが「俺らしいでしょ」って言った現場見たことことないからね(笑)。 田口:そうだね。 みうら:だから自分の中にないものを探せといっても、それは無理な話ですよ。次にそんな人は「自分を信じろ」とまで煽ってくるからね(笑)。自分を信じられないから不安なのにさ。 田口:それ、『アイデン&ティティ』のテーマですよね。 峯田:あまり周りを意識しすぎないほうがいいんじゃないですか。自分が楽しくなれたら良い。本当に自分が好きなものを見つけて、それを大事にできればいいかなって思う。さかなクンっているじゃないですか。あの人は本当に自分の好きな魚がいる世界で、魚だけを追求している。それで楽しくなっているじゃないですか。みんなも彼をマネすればいいんですよ。
みうらじゅん(写真左)1958年生まれ。イラストレーターなど。97年にはみうらさんが作った「マイブーム」が新語・流行語大賞を受賞。2018年、仏教伝道文化賞沼田奨励賞を受賞。『マイ仏教』『さよなら私』『色即ぜねれいしょん』など著書多数。 峯田和伸(写真中)1977年生まれ。シンガーソングライター、俳優。GOING STEADYを結成し音楽活動を開始。現在は銀杏BOYZとして活動。音楽のみならず、近年は連続テレビ小説『ひよっこ』、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』への出演など、俳優としての活動もめざましい。 田口トモロヲ(写真右)1957年生まれ。俳優、映画監督。数多くの映画やドラマなどに出演し、日本映画に欠かせない存在。その他の映画監督作に『色即ぜねれいしょん』、『ピース オブ ケイク』。近年の出演作にドラマ『忍びの家』(Netflix)、『サンクチュアリ-聖域-』(Netflix)、『名建築で昼食を』(テレビ大阪、BS テレビ東京)、舞台『千と千尋の神隠し』など。4月からナレーターを務める『プロジェクトX』(NHK)が新シリーズとして再開する。 写真/恩田亮一(講談社写真部) 取材・文/池守りぜね
みうら じゅん,田口 トモロヲ,峯田 和伸