<目指せ頂点・21センバツ敦賀気比>選手紹介/9止 /福井
◇母から「鬼になれ」 渡辺飛雄馬外野手(2年) 打撃では積極的にバットを振り、守備でも正確な送球を武器に外野ならどこでも守れる万能性を備える。東哲平監督も「攻守ともにそつなくこなすスーパーサブ」と信頼を置いている。 周囲に対し気遣いをするなど優しい性格の持ち主だが、家族からは「優しすぎる」と言われてきた。月1回、実家から届く仕送りにはいつも母の手紙が添えられ、必ず文末に「鬼になれ」と書いてある。「時には、チームメートに厳しく接する必要がある。せめて野球をする時だけでも、心を鬼にしなさい」という意味が込められている。調子が落ちてきた時に読み返し、気を引き締める。「おかげで毎日しっかり練習できている。甲子園でのプレーで恩返ししたい」と誓う。 ◇制球力に自信持つ 上加世田頼希投手(1年) 直球やスライダー、カットボールを器用に投げ分ける。「どんなボールカウントでも、変化球を狙った場所に投げられる」と制球力に自信を持つ。 昨秋の北信越大会準決勝では主戦の竹松明良投手(2年)が負傷降板し、四回から延長十回まで投げきった。「今まで公式戦をほぼ一人で投げてきた竹松先輩を、甲子園のマウンドに立たせてあげたい一心だった」 同大会決勝では完投勝利したものの、15安打を浴び5失点するなど満足のいく出来ではなかった。「センバツでは同じ思いをしたくない」と、大会後は下半身の強化に取り組み、「最近は投球後に踏み込んだマウンドの跡が深くなった」と手応えを感じている。甲子園で練習の成果を披露したい。=おわり