釈由美子さん(46歳)子育てに亡き父の影響「私は褒めてもらった記憶がなく…」|美ST
いろいろな選択肢を用意したおかげか、今息子はありとあらゆることへの興味があり過ぎて、付き合うのが大変(笑)。でも「知りたい、体験したい」と言う好奇心の芽を摘みたくはないし、私も「これは面白いのでは?」と思うものは積極的に体験させています。例えば稲刈りや脱穀。毎日当たり前に食べるごはんがどのようにして我が家の食卓にのぼるのか知ってほしかったんです。コロナ禍は臼と杵を買って家で餅つきをさせてみたり。 彼が最初に自発的に習得していったのは英語です。7歳で英語検定準2級に合格したのですが、英語の英才教育を積極的にしていたわけではないんです。ディズニーアニメの英語版をかけ流して、日常的に英語に耳を触れさせていると、2、3歳で英語をポロポロと話すようになりました。今ではNetflixの映画やYouTubeも吹き替えではなくすべて英語で観て楽しんでいます。夏休みはカナダのサマースクールに一人で参加したり、本場のミュージカルを観劇して感動していました!英語ができると世界が広がるということを本人も実感できたようです。
“指示待ち”な大人にはなってほしくない。ちゃんとセルフプランニングできる大人に
選択肢は与えても、答えは与えないようにしています。必要に応じてヒントやアドバイスはしつつ、自分で答えをチョイスしてもらう感じ。そういうコミュニケーションをとても大事にしています。知性や学力といったIQも大事かもしれませんが、どちらかと言うと非認知能力と言われるEQ(心の知能指数を測る指標)を養ってほしいんです。感情をきちんとコントロールし、対人関係や対人能力を良好に発展させながら、自分の目標に向かってセルフプランニングできるようになるには、やはり安易に答えが用意されていては難しいのかな、と思っています。
子供とのコミュニケーションは、私の子供時代の経験がきっかけ
私は4姉妹の次女なんですが、どうやら父は男の子が欲しかったみたいなんです。だからというわけではありませんが、父から褒めてもらった記憶がなくて。どうやったら褒めてもらえるかな?と、そんなことばかり考えていました。父なりの愛情表現ではあったものの、「言わなくてもわかるだろう」というスタンスに傷つくこともしばしば。だからこそ、自分の息子にはちゃんと言葉で伝えたい、という想いが強いのかもしれません。父は66歳で亡くなったのですが、唯一の心残りは息子を見せられなかったことです。父の影響で私は大の登山好きになり、プライベートでもよく山に登るんです。今では息子とも一緒に。幼稚園児の時には富士山に登頂しました。そんな様子を、もしかしたら父は喜んでくれているかもしれません。 《衣装クレジット》 ジレ¥39,600 ラッフルブラウス¥19,800 パンツ¥24,200(すべてAMACA/SANYO SHOKAI)パンプス¥19,800(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)ブレスレット(ICHICA JEWELRY) 撮影/土山大輔(TRON) ヘア・メイク/田中宏昌 スタイリスト/安永陽子 取材/キッカワ皆樹