定期点検を怠り、劣化見逃したか 「おもちゃ王国」関係者ら書類送検
兵庫県加東市の遊園地「東条湖おもちゃ王国」で2021年10月、立体迷路の床が抜けて6人が重軽傷を負った事故で、県警は6日、同遊園地の当時の支配人ら3人を業務上過失致傷容疑で書類送検した。いずれも容疑を認めているという。 【写真】公開された立体迷路の梁 県警によると、床を支える木製の横木の強度が腐朽によって低下していたため、利用者が通りかかった際に横木が崩壊して床板が抜け落ちたとみられるという。 当時の支配人ら3人は、園で決められた点検を確実に実施していれば腐朽に気づけたのに、専門業者に年に1度委託する点検を怠るなど、必要な措置を取らずに腐朽を見逃し、事故を招いた疑いがある。 専門業者による年間点検は19年4月を最後に実施されておらず、事故8日前の月間点検でも、現場の管理者による点検が不十分で、腐朽を確認できていなかったという。 事故は21年10月10日、木造5階建ての3階部分で発生。床の一部が幅約1メートル、長さ約2メートルにわたって抜け、利用者7人が2階部分に落下した。うち20代の2人が重傷、7~38歳の4人が軽傷を負った。1歳の女児にけがはなかった。 木造立体迷路には、安全について規定した法令がない。 事故を調査した消費者庁の消費者安全調査委員会は先月、報告書を公表。遊園地を所管する経済産業省に対し、今回のような屋外の木造大型複層遊具に関する安全基準を策定するよう求めた。(宮坂奈津)
朝日新聞社