再起かける〝サン宝石〟のいま 「ほっぺちゃん」のガチャにも人気 数え方は「個」ではなく…
昭和・平成を生きた、女の子たちの共通言語とも言えるかもしれない「サン宝石」――。民事再生法の適用が話題になりましたが、現在、再起をかけて奮闘しているのだといいます。その打ち手の一つが「ほっぺちゃん」のガチャガチャ。ガチャガチャ評論家のおまつさんが取材しました。 【画像】口も眉毛もないけど…ひとつひとつ手作りの「ほっぺちゃん」はこちら
500人→15人となった従業員で奮闘
2021年に民事再生法の適用を申請したサン宝石が、再起に向けて歩みだしています。 サン宝石と言えば、カタログ通販で買い物をした思い出がある、昭和~平成に子ども時代を過ごした方が多いのではないでしょうか。 サン宝石は、『りぼん』や『ちゃお』など少女マンガ誌を中心に広告を出したり、安くて可愛い子ども向けアクセサリーやファンシー雑貨を作ったりしていました。 商品は、どれも子どものお小遣いで買える、10円から数百円。500円あれば、いくつでも買えました。 しかし、時代の変化とともに、100均などの店舗が増え、お客さんの嗜好が多様化していきます。また、WEBの普及が進むにつれアナログな通販事業が衰退し、新規顧客の獲得が難しくなり、企業を取り巻く環境の変化に追いつくのが難しくなっていきました。そして、サン宝石は21年に民事再生法の適用を申請。 全盛期は、通販事業を中心に、実店舗も全国に40店舗以上あり、中国で自社工場を構えていました。従業員は多い時には500人もいたそうです。 現在は、みっとめるへん社サン宝石事業部として事業を継続し、従業員15人で再起をかけて奮闘しています。 サン宝石事業部の神崎仁美さんは「アナログ文化で、カタログから注文することこそが、サン宝石でした。その切り替えが遅れてしまったのが敗因です。民事再生のとき、『サン宝石はまだあったんだ、倒産しそうじゃん』という声がありました。一方で、子どもの頃にサン宝石を購入してくれた大人の方が『つぶれないで! サン宝石』と応援してくださる方がたくさんいました。だからこそ、サン宝石を再起させたい。その思いがあります」と話します。