<ヘッドフォン祭>DAP市場震撼? FIIOから超コスパ機「JM21」。ブランド初のフルサイズストリーマー「S15」も
ポータブルオーディオ製品の展示イベント「秋のヘッドフォン祭 2024」が、本日11月2日、ステーションコンファレンス東京にて開催。本稿ではエミライブースの模様をお伝えする。 【画像】FIIOから登場、Bluetooth機能も非搭載のFMラジオ ■FIIO新製品よりどりみどり。事前告知無しのバラエティに富んだラインナップを用意 エミライブースでは、FIIO製品を中心に初公開のプロダクトを多数用意。フジヤエービックのイベントページで事前にアナウンスされていたものに加え、当日飛び入りで試作機が持ち込まれたものまでバラエティに飛んだ製品ラインナップを用意する。 ポータブルDAPでは「JM21」が中国に次いで日本初公開。当日急遽飛び入りで持ち込まれたアイテムだという。こちらはブランドが発売固辞していた「低価格帯のDAP」となっており、グローバルプライスは199.99ドル。発売時期は今冬としているが、あくまで参考出展としての展示であるとのことで、製品化検討の事由は「価格が安すぎるから」とブーススタッフは説明する。 スペックとしては、最新の8コア「Snapdragon 680」を搭載。Cirrus Logic製「CS43198」DACチップのデュアル構成とSGMICRO製「SGM8262」オペアンプのデュアル構成による完全バランス設計を採用し、バランス出力で700mWを実現させた。 BluetoothコーデックはSBC/AAC/aptX/aptX HD/LHDC/LDACをサポート。有線出力は3.5mm/4.4mmを備える。OSはAndroid 12ベースのカスタムOSを搭載。自社開発のDAPSシステムによる高音質再生を提供するという。 飛び入りのプロダクトは他にも満載。CDプレーヤーカセットなどを用意する同社だが、次は携帯型FMラジオ「RR11」を用意。こちらは世界初公開のモデルとなる。同社社長のJames Chung氏が大のソニー愛好家ということから、当時のプロダクトをFIIO流で復刻したいという願いから開発されたアイテムとのことだ。 Bluetoothなどを搭載しない完全アナログのプロダクトとなっており、Silicon Labs製プロフェッショナルFMラジオチップ「Si4831」を搭載し、64 - 109MHz FM周波数帯域と、グローバルFM信号の受信をサポート。アナログPVCの搭載による、チューニングノブでの選局方式を採用し、レトロクラシックな使用感を味わえるとする。発売時期、価格ともに未定となっている。 有線イヤホンからは、本国での発売に向けて開発中のモデル「FX17」が事前告知なしで登場。静電ドライバーを備える「FXシリーズ」に連なるアイテムで、現在発売されている「FX15」の上位モデルという立ち位置だ。DD1基、BA4基、静電ドライバー8基からなるハイブリッドドライバー機で、振動板素材にリチウム・マグネシウム合金を採用する。国内での発売は今のところ未定。 ■初のフルサイズストリーマーなど、FIIOはデスクトップオーディオも熱い FIIOの注目のプロダクトとして、初のフルサイズ430mm据え置き型ストリーマー「S15」を出展。発売時期は今冬としており、海外での想定小売価格は999.99ドルとしている。 DAC部は「AK4499EX」「AK4191EQ」を搭載。外部接続端子としてHDMI入出力、AES入出力、オプティカルなどデジタル系を網羅。ライン出力はRCAとXLRバランスを用意する。そのほか、SDカードスロットやUSB端子、BluetoothやWi-Fiにも対応。また、面白いところでは内蔵ストレージベイを搭載し、SSDを自身でアップデートすることも可能だ。 デスクトップオーディオでは「Kシリーズ」の新世代モデルとなるDAC/アンプ「K17」を世界初公開。AKMのフラグシップセパレートDACシステム「AK4191EQ+AK4499EX」を搭載し、AK4499EXはデュアルで構成。ヘッドホンアンプ部ではチャンネルあたり420mWの大出力を実現。2.4GHz/5GHzのデュアルモードWi-Fiに対応し、ストリーミング再生、さらにローカル再生機能もサポートする。発売時期、価格ともに未定。 アクティブスピーカー「SP3 BT」のカジュアル版とでもいうべきモデル「SP1」も世界初公開。コンパクトなサイズ感ながら、RCA、光デジタル、同軸デジタル、USB Type-C、フォノ入力など多彩な入力を用意。Bluetoothや赤外線リモコンによる操作もサポートする。発売時期は未定だが、海外での価格は95 - 100ドルを想定する。 ブースでは、完全フルオートのターンテーブル「TT13」との組み合わせで展示。スタート、リフトアップ、そしてカートリッジも指定のモデル(オーディオテクニカ製)のみ対応で、針圧も調整済みというアナログレコードの「超ビギナー」向けモデルだ。プラッター周囲には7色のライトエフェクトを備えるなど、現代のライフスタイルに合わせた機能を多く備える。発売時期は今冬を見込み、海外価格は249.99ドルと予想される。 プレーヤー関連では、同ブランドの理想を叶えたとするポータブルCDプレーヤー、「DM13」も参考出展。ディスクロードは筐体の天面が開くフリップ型を採用。また、ポータブルCDプレーヤーならではの音飛び防止機能である、電子制震機能(ESP)も備える。 「CS43198」DACチップ2基、「SGM8262」アンプ2基搭載することで価格帯最高クラスの音質をアピール。3.5mm/4.4mmのバランス出力に対応し、シングルエンド350mW、バランス700mWの高出力を実現させた。また、CD再生のみならずリッピング機能も搭載する。 また、有線型ヘッドホンのニューモデルとして「FT1 PRO」が中国に次いで初出展。すでに発売されている「FT1」がダイナミックドライバー搭載の密閉型なのに対し、こちらは平面磁界ドライバー搭載の開放型の構造を取る。 そのほか、Bluetoothレシーバー「BTR7」の後継モデル「BTR17」や、リケーブル対応イヤホンを完全ワイヤレス化するBluetoothレシーバー「UTWS5」の充電機構を非接触型ワイヤレスに刷新し、使い勝手を高めた「UTWS5 MMCX 2025」などを参考出展。 Noble Audioからは、「春のヘッドフォン祭 2024」で初展示され、発売が待たれるブランド初のワイヤレスヘッドホン「FoKus Apollo」や、昨日11月1日から販売開始したMEMSドライバー搭載モデル「FoKus TRIUMPH」を展示。ほか、先日の価格改定が大きな話題をさらったiFi audio製品など、ブース所狭しと数々のプロダクトが並んでいた。
編集部:松永達矢
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