（ブルームバーグ）： 北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻を支援するため派兵の準備をしていると、ウクライナと韓国が相次ぎ警告を発した。事実であれば、ロシアと北朝鮮が軍事協力をいっそう深めている兆しになる。

韓国の尹錫悦大統領は18日、北朝鮮のロシア派兵を協議するため安全保障会合を緊急招集。大統領府が発表した声明によると、会合では「北朝鮮による最近のロシアへの兵士移動と、ウクライナ侵攻への支援に関する情報が共有された」。ロシアに送られた北朝鮮兵士の数やその役割について詳しくは触れていない。

北朝鮮の派兵は韓国と国際社会にとって「重大な脅威」だと、大統領府は声明で指摘した。

前日にはウクライナのゼレンスキー大統領がブリュッセルで、北朝鮮がロシアを助けるため１万人の兵士を送る準備をしていると発言。だが、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）のルッテ事務総長は北朝鮮兵士が戦闘に関与している証拠はないと述べ、ゼレンスキー氏の見解をすぐさま否定した。

北朝鮮の派兵規模について、情報は交錯している。聯合ニュースは韓国情報当局の話として、北朝鮮はウクライナに１万2000人の派兵を最近決定し、兵士の移動はすでに始まっていると報道。一方、米国など西側諸国はそのリスクが大きいとは扱っていない。

この問題に詳しい欧州政府の複数の当局者によると、北朝鮮の派兵規模は現時点で数千人だという。当局者は機密情報を話しているとして匿名を要請した。兵士の多くは前線から離れたところにいると、当局者の１人は語った。

西側当局者がとりわけ断定に慎重になっているのは、戦争への北朝鮮の関与の度合いだ。直接の戦闘なのか、それとも例えばエンジニアリング的な部分なのかは判然としない。

ルッテ氏はＮＡＴＯと韓国やその他のパートナーとあらゆる証拠を収集するため接触しているとしつつ、今のところ北朝鮮兵士がウクライナでのロシアの軍事作戦に積極的に関与しているとは言えないと語った。