完全にしくじりました…ピーク年収1,200万円、66歳・元「大企業の敏腕部長」が定年後に〈時給1,180円〉のバイトを辞められない「まさかの理由」【CFPの助言】
想定以上に早く目減りした退職金と対策
ところが、Aさんが老後生活を始めて1年経った現在、昨今の物価上昇の影響か、思いのほか出費が多く、退職金も減りが早くなり、生活が苦しくなってくる事態に。 そこでAさんはあと2年間、月6万円の収入を得ることが必要だと計算し、また働きに出ることにしたのです。 しかし、人手不足と報道されていても、現役時代のスキルを活かせるような仕事は見つかりません。名の通った大会社に勤めていた経歴のために、採用してもらえないと思うこともありました。 なかなか勤め先が決まらないAさんでしたが、毎日の散策コース沿いでアルバイト募集の張り紙がある、地元で数店舗を経営しているスーパー「C」に「ものは試し」と応募して、時給1,180円で採用されたのでした。
アルバイトに励むも、悩みの種は「カスハラ客」
勤め先のスーパーでAさんは、商品を陳列棚に並べる作業を担当していました。とはいっても小さな店舗ですので、青果や鮮魚、精肉などの担当はなく、チーフの指示ですべての商品を開店に間に合うように、また開店後は補充するのが主な業務でした。 しかし、商品の配列を覚えるのも大変で、お客に商品の場所を聞かれてもすぐに答えることができません。また、人手が足りないときにはレジ打ちもしますが、手間取るしミスも連発。職場の若い同僚たちには、励まされたりいびられたりすることもありました。 さらに追い打ちをかけるのが「カスハラ客」の存在です。「早くしろ」「謝れ」「俺は客だぞ」など、やりたい放題の迷惑客が多い実態を知り、最初のうちは対応のすべもわからず、ただ頭を下げて謝るばかりでした。 しかし仕事に慣れてくると、長年人事総務畑で勤務した杵柄で、うまく厄介な客の対応もできるようになり、年の離れた店長ともよい関係が築けていけるようになりました。「立ち仕事で大変だけど、生活資金のためにも、体力が続くうちは続けてみよう」と考えるようになったそうです。 ただ当面2年間、月6万円のバイト代で今後の生活は大丈夫か心配となり、自分で考えるだけではなく、FPに今後の家計を相談することにしたのでした。
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