東北 秋田などで川が増水中 11日まで断続的に大雨 氾濫・土砂災害に警戒
市街地でも浸水被害をもたらす「内水氾濫」とは
内水氾濫とは、市街地に降った大雨が地表にあふれて起こる浸水被害です。アスファルトなどで大部分が舗装されている都市部などで発生しやすいとされています。 大きな川の水が堤防を越えてあふれ出す「外水氾濫」とは区別され、「内水氾濫」は下水道や用水路の排水能力を超える雨が降ったり、排水先の河川(本流)の水位が高くなったりして、行き場を失った雨水が市街地にあふれ出る災害です。川や用水路から水があふれ出すだけではなく、マンホールから水が吹き出すこともあります。 「外水氾濫」に比べ、「内水氾濫」は一般的に浸水の度合いが浅いという傾向がありますが、短時間で被害が発生し、川から離れた地域でも浸水が起きるとされています。 内水氾濫が起きやすい地域については、自治体がハザードマップにまとめている場合があります。日頃から自分の住んでいる地域のリスクを把握するようにしましょう。 また、大雨時には、テレビ、ラジオ、インターネットなどで最新の気象情報、災害情報、避難情報に注意し、危険を感じたら、早めに避難しましょう。氾濫した水の流れは、勢いが強く、歩くのが困難な場合があります。その場合は、緊急避難として、高い頑丈な建物にとどまることも選択肢の一つです。
大雨 土砂災害の前触れは
雨によって土砂災害が発生する時には、前触れとなる現象があります。これまでの雨ですでに地盤が緩んでいます。危険な斜面の近くでは、異変を感じたらすぐに避難するようにしてください。 1つめは、がけや地面にひび割れができることです。 2つめは、木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえたり、土のにおいがしたりすることです。 3つめは、井戸や川の水、湧き水が濁ることです。湧き水が止まる場合も、前触れの一つです。 4つめは、がけや斜面から水が湧き出たりすることです。 そのほか、小石がバラバラと落ちてくる、地鳴りや山鳴りがする、雨が降り続いているのに川の水位が下がる、樹木が傾く、などがあります。このような時は、土砂災害の危険が高まっています。すぐに周りの人に声をかけて、安全な所へ避難してください。
日本気象協会 東北支社 関口 元朝