【取手競輪・GⅡウィナーズC】脇本雄太が番手死守のニュースタイルでV
取手競輪のGⅡ「令和6年能登半島地震復興支援競輪・第8回ウィナーズカップ」は24日、最終12Rで決勝を行い、脇本雄太(35)=福井・94期・SS=が勝利した。脇本のGⅡ制覇は、2019年のこの大会以来2回目、GⅡ以上のビッグレースは10回目(GP1回を含む)。2着は脇本後位の古性優作。3着はBS捲りで外を伸びた清水裕友。3連単は1370円で1番人気だった。脇本は優勝賞金2800万円を手にし、賞金ランク4位にジャンプアップした。9Rで行われた単発の「令和6年能登半島地震復興支援競輪・ガールズケイリンコレクション2024取手ステージ」(優勝賞金290万円)は、坂口楓華(26)=愛知・112期=が直線で差し切って、特別レースを初優勝した。4日間の総売上額は74億1965万9100円(目標75億円)だった。 【競輪賞金ランク表 トップ30 脇本雄太が4位浮上】
■ヒーロー 数々のタイトルを近畿の番手選手にもたらしてきた脇本雄太が、番手を死守する新しいスタイルで笑顔を取り戻した。昨年4月の武雄記念以来、ビッグレースでは2022年グランプリ以来のV。なかなか調子の上がらない中、「ラインのおかげ」と何度も繰り返した。 「後輩の2人がいい動きをしてくれたので感謝しかない」と、逃げた窓場千加頼、3番手を固めた古性優作をねぎらった。レースは7番車ながら古性がS。3車の先頭の窓場が、赤板過ぎからの北井佑季の攻めにも屈せず突っ張り先行を貫いた。脇本は、北井に打鐘から終1角まで外並走で食らいつかれたが最終的に踏み勝ち、古性とともに南関勢を撃退。単騎カマシで前に出た伊藤颯馬をBSから追って、直線で抜け出した。「並走に対して、当たられたらしっかり返そうと思っていた。我慢できたと思う。対処の仕方は経験になった」と、やるべき仕事を全うして胸を張った。 誰も追いつけない逃げや、全てを一気にのみ込む捲りでの優勝を重ねてきた。だが昨年8月の落車以降は最終日までパワーが続かない開催が続き、優勝から遠ざかった。だが今回、首の痛みからくる手のしびれなど万全ではない中でも、「不調の中での戦いだったが、ラインの力があれば優勝できる」とはっきりした。番手の仕事をこなす経験と自信も得た。次の目標は5月のダービー。「体を調整して戦っていきたい」。体調が上向けば、以前にもまして無敵のワッキーが完成することになる。(野口雅洋)