慶應大に受かったビリギャルは「地頭が良かった」のか? コロンビア大学院で気づいた日本の教育の問題点
親が「勉強は苦行だ」と思うのはNG
――事前にインスタで募集した質問にも答えていただければと思います。1つ目は「どうやったら子どもが楽しんで勉強できるようになりますか」という、とても根本的な質問が寄せられました。 これはまず、学ぶってことを親御さん自身が楽しいと思っているかが重要だと思います。 ――確かに「勉強っていうのは大変なものなのよ。苦労してやるものなのよ」と思っている親は多いと思います。 親御さんがそんな考えで、子どもだけ楽しむのは無理じゃないですか(笑)。大事なのは、親御さんが新しい挑戦をして楽しんでいる背中を子どもに見せることです。例えば、未経験のレシピに挑戦するぐらいのことでもいいんです。これが認知科学的に一番効果的なやり方なのです。「勉強は苦行だ」と信じている親御さんの子どもは、やっぱり勉強が苦行になると思います。 私も海外に出るまでは、日本の教育はダメだとか、もっとこうするべきだとか思っていたところがあります。でも今は、日本の教育もそんなに悪くないと思うようになりました。国内では相変わらず教育への批判が多いですが、いやいや、日本の子どもたちはめちゃくちゃ賢いからねって。 ――日本の子どもたちは勉強ができるのに、「自分はできない」と思っている人がすごく多い気がします。 大学院でこんなことがありました。私は中1で勉強をやめてしまったし、大学も私立文系だったから、数学をちゃんと勉強したことがなかったんです。でも大学院では統計学が必修だったので、これはヤバイと思ってドキドキしていました。それで、教室に行ってみたら、アメリカ人の友達が授業がわからなすぎて泣いているんです。「何がわからないの?」と聞いてみたら、「プラスの記号がイコールをまたぐとマイナスになる理由がわからない」と言うんです。これって日本では義務教育レベルの話ですけど、要するに彼女はそれを受験で問われてこなかったんです。 ――それに比べて、日本は基礎の学力レベルが高いということですね。 はい。それなのに残念なのは、日本の子どもたちにここまで自信をなくさせてしまっていることです。すごくもったいないと思いますね。