【8月は年金支給月】老後の厚生年金・国民年金から《天引きされるお金》があること、知っていましたか?
【国民年金】男女全体平均月額は「5万円台」
引き続き、「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、今のシニア世代が受け取る国民年金の平均受給額を確認します。 ●【国民年金】平均月額 〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 ●【国民年金】月額階級別の老齢年金受給者数 ・1万円未満:6万5660人 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人 ・7万円以上~:178万3609人 ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」ですね。国民年金は、年金制度のベースとなるその性格から、年金保険料が全員一律。厚生年金と比較すると個人差・男女差が生じにくくなっています。 ただし、年金月額は満額でも6万8000円(2024年度)。厚生年金を上乗せ受給できる場合より、かなり少なくなります。貯蓄や私的年金などで老後資金を手厚めに準備しておく必要があるでしょう。 次では、老後の年金から「天引きされるお金」について整理します。
【老後の年金】厚生年金&国民年金から《天引きされる4つのお金》
前項まで見てきた、厚生年金と国民年金の年金月額は、いわゆる「額面」。ここから税や社会保険料などのお金が差し引かれることになります。 次でひとつひとつ見ていきましょう。 ●介護保険料 介護保険料は、40歳から64歳までの間は健康保険料と一緒に納付します。これが、65歳以降は介護保険料だけを別に納付するしくみに切り替わります。 年金が18万円以上(年額)の場合は、介護保険料は年金からの天引きに。ちなみに介護保険料の納付義務は生涯続くものです。要支援・要介護状態になり介護サービスの利用が始まった後も、引き続き支払いが必要となる点に注意しましょう。 ※年金額が18万円以下(年額)の場合や、繰下げ待機中の場合は普通徴収(年金からの天引きではなく、納付書や口座振替で納める)となります。 ●国民健康保険料・後期高齢者医療制度の保険料 国民健康保険や、原則として75歳以上の人が加入対象となる後期高齢者医療制度の保険料も、年金から天引きで納めます。 ※「介護保険料が年金からの特別徴収になっている」他、一定条件を満たしていない場合は、普通徴収での納付となるケースもあります。 ●個人住民税 住民税は、前年中の所得に対して課税されるもの。年金所得が一定以上の場合は課税対象となり、年金からの天引きで納付します。さきの保険料との違いは、収入が一定以下の場合は非課税となる点です。 ※ちなみに、ここで説明している「老齢年金」は個人住民税の課税対象ですが、障害年金や遺族年金には個人住民税はかかりません。 ●所得税および復興特別所得税 所得税は、一定額以上の年金収入にも課税されます。公的年金は雑所得となり、65歳未満は108万円、65歳以上であれば158万円を超えると課税対象です。 同時に、「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税の源泉徴収の際に併せて復興特別所得税も課税sれマス。 ただし、収入が公的年金のみの場合、65歳未満の人は108万円以下、65歳以上の人は受給額158万円以下なら、所得税そのものが課税されません。 ※個人住民税と同じく、障害年金や遺族年金を受給する場合は、所得税および復興特別所得税はかかりません。