【医師解説】「二人目不妊」かも… 治療は何をどう始めればいい?
「二人目不妊の方が妊娠しにくい」ってホント?
編集部: 一人目よりも、二人目不妊の方が妊娠しにくいのでしょうか? 市山先生: 女性は年齢を重ねると妊娠率が下がっていきますが、不妊の原因は人それぞれであり単純な比較はできないというのが実状です。二人目を望む方の中には「一人目を授かれたので、二人目も大丈夫だろう」と過信し、受診が遅れてしまうケースが考えられます。 決してそんな保証があるわけではありませんので、「あれ?」と思ったら、できるだけ早く、専門医療機関に相談することをお勧めします。 編集部: 男性側も検査は必要ですか? 市山先生: 一人目、二人目に関わらず、夫婦の不妊の4割が、男性側に原因があるとされています。一人目の時には問題がなくても、その後に問題が生じていることもあるので、ぜひ一緒に来院していただき、検査することをお勧めします。 別の観点としては、例えば排卵日に合わせて性交渉をしていただく「タイミング法」が、男性側の負担になっているケースも少なくありません。妊娠の手段は性交渉だけではありませんので、そういった意味でもご相談いただけたらと思います。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。 市山先生: 女性は年齢を重ねると、妊娠率が下がっていきます。一人目の時は問題なく授かれたとしても、二人目を考え始めたときはそこから数年経っており、状況が異なるので、二人目を考え始めた時点で専門機関で検査していただくことをお勧めします。 受診する際は、普通の産婦人科ではなく、生殖医療の専門医へ相談していただいた方が結果も出やすいと思いますので、ぜひお近くの生殖医療専門医を探してみてください。
編集部まとめ
不妊の原因は人それぞれですが、やはり、一人目と比べて年齢が上がっていることが、一つの大きなポイントとなっているようです。二人目を考えている方は、「不妊」の定義でもある「1年以上」という期間を待たずに、一度専門医に相談してみると良いかもしれません。
【この記事の監修医師】 市山 卓彦 先生(torch clinic) 2010年、順天堂大学医学部卒業後、不妊治療施設「セントマザー産婦人科医院」にて生殖医療に関わる臨床及び研究に従事。特に着床不全の研究が評価され、海外の生殖医学会での表彰や、招待講演なども経験する。2019年4月、順天堂大学医学部附属浦安病院リプロダクションセンター副センター長に就任。培った技術を踏襲し、同センターにおいて良好な臨床成績を獲得するとともに、癌生殖、生殖心理の分野でも研鑽を積む。2022年5月、東京都渋谷区にtorch clinicを開院、院長に就任する。
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