「航空管制官」になりたいのですが、20代の年収が一般企業と変わらないと聞きました。国家公務員の年収は一般企業よりも高いのではないのでしょうか?
空の安全を24時間365日守り続ける「航空管制官」。国内で航空管制官になるには、国家公務員として採用される必要があります。試験を突破するのは簡単ではありませんが、国家公務員の給与の高さも魅力に感じている方もいるでしょう。では、航空管制官の給与は実際いくらくらいになるのでしょうか? そこで今回は、航空管制官になったばかりの20代でも、民間企業の社員よりも高い給与をもらえているのか、それぞれの給与を比較します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
航空管制官とは
「航空管制官」は、空の安全を守る重要な職業です。主な仕事は、空港の管制塔から飛行機に対し離着陸許可や走行経路の指示出しなどを行う「飛行場管制業務」、離陸した飛行機に対し、安全なルートに誘導・上昇させる「ターミナル・レーダー管制業務」、空港と空港の間を飛行する飛行機に対し指示を出す「航空路管制業務」があります。 航空管制官になるためには「航空管制官採用試験」に合格し、航空保安大学校で長い研修を経て勤務地に配属、さらに業務資格を取得する必要があります。
20代航空管制官の平均年収
航空管制官は国家公務員のため、民間企業よりも高い給与をもらっているというイメージのある方もいるでしょう。しかし、年次によってはそれほど変わらない可能性もあります。 では大学卒業後に航空管制官になって7年目までの平均給与を確認してみましょう。表1は、人事院の令和4(2020)年国家公務員給与等実態調査を参考に経験年数別に示したものです。 表1
※人事院の「令和4年国家公務員給与等実態調査」を基に筆者作成 「俸給額」とは、民間企業の基本給と同様で、時間外手当や家族手当・通勤手当などは含まれません。そのため、実際はこの数字より多いと考えられます。 ボーナスは令和4年度の国家公務員のボーナス支給月数4.4ヶ月分をかけた数字です。 年を経るごとに、順調に昇給していることが分かります。
20代民間企業の社員の平均年収
次に、20代の民間企業の平均年収を確認しましょう。厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査を基に、企業規模10人以上の企業に勤める労働者の平均年収を計算したものが表2です。なお、航空管制官の採用試験は大学卒業程度の知識を問う問題であるため、こちらも大学卒業した方に絞った数字をご紹介します。 表2