【選手権】優勝候補の大津が4-0の貫禄勝ち!危なげなく2回戦へ
先制点を奪うまで36分間を要したが、優勝候補の一角・大津(熊本)が福井商(福井)の粘り強い守備に慌てることなく、貫禄勝ちを見せた。終わってみれば4-0。力の差は歴然だった。 【フォトギャラリー】福井商 vs 大津 「6バック気味で守ってくる相手に対して、どこに突破口があるか。そこをまず見極めることが大事でしたが、試合が始まってから少しずつ右サイドでチャンスが作れるようになりましたね。相手のマークが厳しく、決定機のシュートに力が入りすぎてしまい、なかなかゴールに結びつきませんでした。それでも前半のうちに先手を取れたことがよかったです」(大津・山城朋大監督) ボールをテンポよく動かしながら、あの手この手を駆使して福井商の守備陣を揺さぶる大津の“根気強さ”が結実したのは36分だ。DF3野口悠真(3年)からの右クロスにMF6兼松将(3年)がジャンプ一番、正確に頭でとらえ、ゴール右隅に決めた。 「自分のところにいいクロスが何度も入ってきたけれど、思うように得点できず、申し訳ないと感じていました。でも、焦れずにやり続けることが大事でしたし、それが結果につながりました」(兼松) 後半に入ってからも積極的に仕掛ける大津が、効率よくゴールを重ねていく。タクトを振るのは卒業後、来季J1復帰の清水エスパルス入りが内定しているMF10嶋本悠大(3年)だ。61分に交代出場のFW19岩中翔大(3年)、70分にFW9山下景司(3年)がそれぞれ得点したが、ともに2024csアシストは嶋本だった。 バックラインからボールを引き出し、長短のパスを使い分けながらビルドカップするだけではなく、「得点に直結するようなパスを出せるのが嶋本の持ち味」と、山城監督からの信頼も厚い。 後半のアディショナルタイムに交代出場のMF20溝口晃史(3年)がチーム4点目を押し込み、大津が試合を締めくくり、危なげなく2回戦に歩みを進めた。 注目すべきは大津の被シュートが0本という点だろう。17年ぶり2回目の選手権出場の福井商は今季の“プレミア王者”に一泡吹かせるべく、ガムシャラに立ち向かったが、得点への糸口さえもつかませてもらえなかった。 (文・写真=小室功)