優勝候補サインツが早くもストップ。鬼門の“48時間クロノ”をアル・ラジがリード【ダカールラリー2025】
1月5日、サウジアラビアを舞台に開催されているダカールラリー2025のステージ2が行われ、オーバードライブ・レーシングのヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)が総合首位に立った。 【写真】大会2日目で総合首位に立つヤジード・アル・ラジ/ダカールラリー2025 前日4日に開幕ステージが行われたダカールラリー2025。迎えた大会2日目は、早くも山場のひとつとなる“48時間クロノ”に突入した。 2024年に初実施となったこのステージは、2日間かけて行われるステージ2のなかで、1日目の後にはクルー自らの手でマシンを整備しなければならず、スペアパーツ等にも制限がかかる過酷な区間となる。 1日目は、17時になるとすべてのクルーは近いビバークで停止する必要があり、そこでマシン整備とキャンプをする。そして翌日の夜明けにふたたび出発して残るステージを走行し、2日間で計1058kmを走破する。 ステージ1でのクラッシュの影響で早々に離脱するクルーも出始めるなか、開幕したステージ2ではザ・ダチア・サンドライダーズのナッサー・アル-アティヤやセバスチャン・ローブ(ともにダチア・サンドライダー)、プライベーターでトヨタ・ハイラックスを駆るアル・ラジらが序盤からハイペースを披露した。 さらに100km超えたあたりからは、マティアス・エクストロームやナニ・ロマら(ともにフォードMスポーツ)もペースアップ。激しいタイム争いを繰り広げるなかで、フォードの僚友カルロス・サインツがまさかのクラッシュを喫してしまった。 2024年大会の覇者は、砂丘の広がる327km地点にてカウルを中破するクラッシュに見舞われて停止。この間約40分の後退となったが、コース復帰後は力強いペースを見せて総合24番手まで挽回している。 また、一時は3番手タイムを刻んでいたダチアのローブも、350km地点周辺でストップする場面があり、走行を再開しているものの30分ほどのロスを背負う開幕となっている。 48時間クロノ1日目が終わりを迎える頃には、メーカーの異なるアル・ラジ(トヨタ)とアル-アティヤ(ダチア)が、タイムチェック毎に約1分差の熱いトップ争いを見せ、最終的にアル・ラジが1分1秒のリードを守ってビバークポイントDに到着した。 首位から9分11秒遅れのステージ3番手には、フォードのマティアス・エクストロームがつけており、ファン・クルス・ヤコピニ(オーバードライブ・レーシング)、ヘンク・ラテガン(トヨタ・ガズー・レーシング)とトヨタの2台が続くトップ5となっている。 そして暫定での総合順位ではアル・ラジが首位、アル-アティヤ、ラテガンが続くトップ3となった。 6台体制を組むトヨタワークス勢としては、トップが総合3番手のラテガン、総合5番手にガイ・ボッテリル、総合8番手にジニエル・ド・ヴィリエールとトップ10圏内を3台が走行中だ。そしてルーカス・モラエスは総合11番手、セス・キンテロは総合19番手、サオード・ヴァリアワは総合25番手だ。 一方の二輪部門では、ステージ1を制したKTMのダニエル・サンダースが48時間クロノの砂丘も軽快にクリアし、首位をキープ。2番手にホンダのリッキー・ブラベック、3番手にヒーローのロス・ブランチが続き、順位変動こそないもののサンダースはリードを6分弱に広げている。 現段階で、二輪/四輪ともにほぼ大半のクルーが約950kmの道のりを折り返すところまで走行を完了している。明日6日は、日の出とともに48時間クロノの後半へ向けた走行が再開される。ダカールラリー2025最初の関門をトップで乗り越えるのはどのドライバー/ライダーだろうか。 [オートスポーツweb 2025年01月06日]