《ブラジル》6歳児が1千回超刺され昏睡=攻撃的なミツバチの群れに
わずか6歳の男児がミツバチの群れに襲われ、全身を1100回以上刺されて昏睡状態に陥る事件がマット・グロッソ・ド・スル州で発生した。被害者は救助されたが重体で地域病院に入院していると、11日付G1などが報じた。 事件は1日(日)、州都カンポ・グランデから62kmにあるシドルランジアの農場で発生。ミツバチの攻撃を受けた時、男児は義理の父親と一緒におり、義理の父親も負傷した。 男児は病院に到着した時は意識があったが、数時間後には昏睡状態に陥り、人工呼吸器の装着、さらには血液透析を受ける必要があったという。看護師らが男児の全身を確認したところ、計1104個の刺し傷が見つかった。 毒物学専門医のサンドロ・ベニテス氏は、「通常ミツバチに刺されて致命的な結果になるのは、成人で500回以上、子どもだと100回以上が目安とされている。しかし、このケースでは、迅速な対応と高度な医療サポートのおかげで命を救うことができた」と分析した。 ベニテス医師によると、この様な激しい攻撃から生還した子どもの事例は聞いていないとし、「2010年ごろ、22歳の軍人が約1千回刺されて必要な治療を受けたが、結局亡くなった」と述べた。 同医師は、ミツバチは12月から3月にかけて新しい巣を作る傾向があることを指摘し、「ミツバチの群れによる攻撃は、ブラジル全体で増加している。特にマット・グロッソ・ド・スル州では、ユーカリの新しい植林が影響している」と説明。 さらに「ミツバチによる攻撃はクモよりも頻繁で、ヘビによる攻撃の数に迫る勢いだ。1960年代のミツバチのアフリカ化により、アフリカミツバチと先住ミツバチが交配したことで、攻撃的で縄張り意識が強くなった」と述べた。 11日現在、男児は引き続き入院中で、退院の目処は立っていないが、すでに自力で呼吸ができている。意識もすでに回復したものの、強い眠気に襲われているという。