UACJと日軽金HD、アルミ箔事業の統合中止
UACJと日本軽金属ホールディングスなどは先月31日、アルミ箔事業の統合中止を決めたと発表した。リチウムイオン電池向けを成長市場と位置付け、海外アルミ箔大手に対抗する日の丸連合の誕生を目指したが、一部生産品種でのシェア調整が難航。さらにLIB市場において国内需要の停滞や海外勢の台頭など環境変化もあり、最終合意には至らなかった。 UACJと日本軽金属HDは2022年8月、UACJ製箔と東洋アルミニウムを統合し、新会社にはJICキャピタルが8割、UACJが2割出資する新体制の発足で合意していた。しかしながら医薬品包装用PTP箔など一部の品種で国内シェアが高まりすぎるという懸念もあり、23年2月に統合予定日を延期していた。それから1年半以上が経過したが、その間に拡大予想だった国内の車載用LIB需要が低迷。一方で中国や韓国のアルミ箔大手がLIB用アルミ箔へ積極投資する姿勢を強めたため競争が激化。当初予想とは異なる事業環境となり、JICCなどとの調整が難航したとみられる。 今回の統合中止を受け、UACJ製箔とUACJ製箔マレーシアはUACJの連結子会社として残る。一方で東洋アルミニウムも日軽金HDの箔事業グループとして運営する。両者ともに今回の統合中止が25年3月期業績に与える影響は軽微としている。