７割の子供が受け入れ先見つからず・・・ 奈良市が里親募集活動を強化
奈良市は親の病気や死亡、虐待などの理由で親元を離れて生活しなければならない子供たちを受け入れる里親を募集している。市によると、こうした子供のうち約7割が里親などが見つからず、施設で暮らしているのが現状だ。こども家庭庁は10月を「里親月間」と定めており、市も募集活動を強化している。 同市が今年3月末時点で把握しているこうした18歳以下の子供は74人。このうち児童養護施設などで暮らすのは52人で、里親が見つかったり、家庭的な環境を備えるファミリーホームに入居したりしている子供は22人にとどまっている。子供の成長には家庭的な環境が重要とされており、市では多くの里親の登録を目指している。 市は令和4年度に子どもセンターを開設。今年8月末時点の里親登録世帯数は37世帯で、スタート時の1・4倍に増えた。週末や数日間だけ子供を引き受ける短期里親などを含めた里親委託率は30・1％でスタート時の1・3倍になっている。 今月は強化月間として市立図書館での関連図書とポスターなどの掲示のほか、15～18日は市役所1階でもパネル展示などを行う。このほか奈良交通バス車内などのデジタルサイネージでの動画放映、鉄道主要駅や商店街での啓発活動を実施する。11月は里親制度の講演イベントも予定している。
