年金15万円なら手取りはいくら?天引きされる税金や保険料を一覧でチェック
2024年10月15日に、8月・9月分の年金が支給されますが、実際に受け取る金額は、みなさんが想像しているより少ないかもしれません。 ◆65歳単身者が月15万円の年金を受け取る場合の手取り額はいくら?結果を見る 年金受給額は、所得税や住民税、健康保険料、介護保険料といったさまざまな税金や保険料が天引きされています。そのため支給額が15万円であっても、手取り額は15万円より少なくなります。 この記事では、年金15万円から引かれる税金や保険料の内訳と最終的な手取り額について解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金から天引きされるものは?
年金から天引きされるものは、主に以下の4つです。 ・所得税 ・住民税 ・介護保険料 ・国民健康保険料(後期高齢者医療保険料) 毎年誕生月に届く「年金定期便」において、50歳以降に記載される見込み額は、これらの天引きを考慮していないため、注意しましょう。
年金15万円から天引きされる金額は?手取り額をシミュレーション
年金15万円から天引きされる金額と手取り額をシミュレーションしてみます。 ●所得税 所得税とは、個人の所得に対して課される税金です。公的年金に対する所得税は、年金額から一定の控除額を差し引いた額に対して、税率5.105%が適用されます。 所得税の計算式は次のとおりです。 所得税=課税所得(年金額-各種控除)×所得税率5.105% 控除の内容は以下のとおりです。 ・基礎控除:48万円 ・公的年金等控除:110万円 65歳の単身者が月15万円(年間180万円)の年金を受け取る場合、所得税は以下のように計算されます。 各種控除:基礎控除48万円+公的年金等控除110万円=158万円 課税所得:年金額180万円-各種控除158万円=22万円 所得税:22万円×5.105%=1万1200円 ●住民税 住民税は市区町村に納める税金で、前年の所得に基づいて計算されます。均等割(5000円)と所得割(税率10%)で構成されます。 税金の計算式は基本的に、どの市区町村も以下の計算式で算出されます。 住民税=均等割5000円+所得割10% 所得割は前年の所得金額に応じて課税されます。計算式は以下のとおりです。 所得割=課税所得(年金額-各種控除)×10% また、控除の内容は以下のとおりです。 ・基礎控除:43万円 ・公的年金等控除:110万円 65歳の単身者が月15万円(年間180万円)の年金を受け取る場合、住民税は次のように計算できます。 各種控除:基礎控除43万円+公的年金等控除110万円=153万円 課税所得:年金額180万円-各種控除153万円=27万円 住民税:5000円+22万円×10%=3万2000円 ●介護保険料 介護保険料は高齢者の介護サービス費用を支えるために、全ての40歳以上の全国民が納める保険料です。前年度における本人・世帯の合計所得金額から保険料が算出され、市区町村によって異なります。 合計所得金額は、収入から一定の控除額を差し引いた金額のことで、年金の場合は次のように計算します。 合計所得金額:年金額-公的年金等控除額110万円 介護保険料は合計所得金額によって、16段階に分けられています。たとえば、東京都北区において、月15万円(年間180万円)の年金を受け取っている人は、9万600円の介護保険料がかかります。 ●国民健康保険料(後期高齢者医療保険料) 65歳以上75歳未満の場合、国民健康保険料が年金から天引きされます。75歳以上になると、後期高齢者医療保険料が差し引かれます。 国民健康保険料(後期高齢者医療保険料)は、次の計算式から算出されます。ただし、65歳以上の場合は介護分の負担がありません。 国民健康保険料=医療分+後期高齢者支援分+介護分 医療分・後期高齢者支援分・介護分には、それぞれに所得割・均等割があります。 所得割は年間所得金額によって変わります。収入から一定の控除額を差し引いた金額のことで、年金の場合は次のように計算します。 年間所得金額=前年の総所得金額-基礎控除43万円 なお、前年の総所得金額は「年金額-公的年金等控除額110万円」で求められます。 たとえば、東京都北区において、65歳の単身者が月15万円(年間180万円)の年金を受け取る場合、国民健康保険料は次のように計算できます。 前年の総所得金額:年金額180万円-公的年金等控除額110万円=70万円 年間所得額:前年の総所得金額70万円-基礎控除43万円=27万円 医療分(所得割):27万円×8.69%=2万3463円 医療分(均等割):4万9100円×50%※=2万4550円 後期高齢者支援分(所得割):27万円×2.8%=7560円 後期高齢者支援分(均等割):1万6500円×50%※=8250円 ※東京都北区では、前年の総所得金額に応じて均等割の保険料が5割減額 合計すると、国民健康保険料は6万3823円となります。 ●年金15万円の手取り額はいくらか 最後にここまで計算してきた金額から、65歳の単身者が月15万円(年間180万円)の年金を受け取る場合の手取り額を計算してみましょう。 180万円-所得税1万1200円-住民税3万2000円-介護保険料9万600円-国民健康保険料(後期高齢者医療保険料)6万3823円=160万2377円 年金が月15万円の場合、手取り額は160万2377円になります。1か月に換算すると、約13万円となり、2万円ほど天引きされることが分かります。