RIZINで悲劇?!堀口恭司の早すぎた173秒KO劇で友人“マッチ”の応援間に合わず
RIZIN初代バンタム級王者の堀口恭司(28、ATT)が21日、横浜アリーナで行われた総合格闘技イベント「RIZIN。15」で元UFC戦士のベン・ウィン(30、米国)とRIZIN・MMAルールで対戦、1回2分53秒パンチのラッシュでKO勝利した。試合後、6月14日に米国・ニューヨークにある格闘技の殿堂「マジソン・スクエア・ガーデン」で開催されるベラトール222大会で、大晦日に破ったベラトール、バンタム級王者のダリオン・コールドウェル(31、米国)との再戦が行われることが発表された。だが、堀口のあまりに早すぎるKO決着の裏で一つの悲劇が起きていた……。
打撃で勝負をかけて高速決着
スイッチが入った。 「全部打撃でいこうと思っていた」という堀口が、左ストレートから右フックをヒットさせてウィンに片膝をつかせると、立ち上がってきたところにプレッシャーをかけて今度は右のストレート。腰から落ちた元UFC戦士が、ふらふらになって後ろをむくと、そこへ猛烈なパンチのラッシュを仕掛けて一気にフィニッシュ。レフェリーが両手をふって試合を止めた。 リング上で「どうです? 盛り上がりました?」とファンに語りかけた堀口は、「全部プラン通り」と勝因を語った。マイクパフォーマンスが終わると、突然、RIZINの榊原実行委員長がリングに上がってきた。6月14日、ニューヨークMSGのベラトールの金網に乗り込んでのコールドウェルとの再戦が発表され「やりますか?」と問われた堀口が「絶対やります」と答えるとまた会場がヒートアップした。 だが、ファンを喜ばせた“早すぎる、強すぎる173秒KO決着”は、その裏で一つの悲劇を生んでいた。マネジメントを任せている所属事務所が同じという縁で交友の始まっていた友人のソフトバンクの“マッチ”こと松田宣浩(35)が会場に到着する数分前に試合が終わってしまっていたのである。 「ちょうどいま着いたんですよ。凄い試合だったんでしょ?見られずに悔しい!」 この日、ソフトバンクは、幸運にも埼玉所沢のメットライフドームでデーゲームの西武戦。本来なら8時過ぎに始まる堀口の試合には余裕で間に合い応援ができるはずだった。4番で起用されている松田は、2ランを含む2安打3打点の大暴れでチームの勝利に貢献したが、16得点もとったため試合時間が3時間42分と長くなり、大急ぎで埼玉から横浜まで車で移動したが、全体の試合進行も、堀口の試合も、あまりに早すぎたため、間一髪、間に合わなかったのである。 「もうちょっと長引いてくれていればねえ」 5分3ラウンドの試合だったから、3ラウンドまでもつれていれば、ひょっとすれば、ギリギリ勝利の瞬間に間に合ったかもしれなかったが、スイッチの入った堀口をもう誰も止められない。松田は、控室を訪れて勝利を祝福。2人で記念写真に納まっていた。