【高校サッカー】前橋育英、PK戦を制して3回戦進出 前半圧倒も後半に追い付かれてPK6-5
<全国高校サッカー選手権:前橋育英2(6PK5)2愛工大名電>◇31日◇2回戦◇駒沢 2017年度大会以来2度目の優勝を目指す前橋育英(群馬)は、愛工大名電(愛知)をPK戦の末に下し、3回戦に進出した。 1回戦の米子北戦で先制ゴールを決めたFWオノノジュ慶吏(3年)がけがの影響でベンチ外。高円宮杯U-18プレミアリーグの東地区で10ゴールを挙げて得点王に輝いたストライカーが不在の中、同4位9得点をマークしたFW佐藤耕太(3年)を1トップに配し、ゴールに迫った。 「得点王を目指している」と語る佐藤だが、ポストプレーも巧み。181センチの長身で空中戦でも強さを見せた。前半7分、左からのクロスに佐藤が相手DFを引きつけて飛び込むと、その背後でフリーになったMF平林尊琉(2年)が右足で冷静に蹴り込んで先制した。 さらに、MF白井誠也(2年)は切れ味鋭いドリブル突破で何度もチャンスを生み出した。前半38分には白井のパスを受けたMF黒沢佑晟(3年)がペナルティーアーク付近から右足で決めて追加点を奪った。 愛工大名電の前線からのハイプレスを「人とボールが動くサッカー」で回避し、主将のMF石井陽(3年)を中心に主導権を握った。数多くのプロ選手を輩出した「前橋育英の背番号14」。山口素弘、松田直樹…、最近では鈴木徳真(G大阪)、田部井涼(岡山)、秋山裕紀(新潟)がJリーグで躍動する。その伝統を受け継ぐ162センチのボランチは、気の利いたプレーで攻守に安定感をもたらした。 だが、後半終盤に一転。決定機を逃し続けたチームは、後半20分過ぎにセットプレーから失点すると、後半終了間際にPKを献上して同点に追い付かれた。 流れは悪かったが、突入したPK戦を6-5で制して勝ち上がった。