「家計管理」を任せている妻が借金?!家計の赤字を埋めるために「自転車操業…」借金ループを断ち切るには? <後編>
長らく妻に家計を任せていたAさん。ある日、妻からカード払いの支払い分が足りない時はカードローンを借りてしのぎ、次の給料日に返すことがたびたびあると聞かされました。 前編では、この解決法を考えました。実は、このような借金のループは、独身・子育て世帯・高齢者など、さまざまな状況下で起こってしまうことがあります。後編では身近に起きる事例とともに、さらなる解決策を考えてみます。
ひとごととは思えない事例 ~子育て世代~
10数年前、Bさんから聞いた話です。「毎月給料日前になると、カード払いできるスーパーでしか買い物はしない。現金がなくなるので…自転車操業って感じ」 Bさんの夫は大企業に勤めています。Bさん自身もパートの仕事をしていますし、金銭感覚はしっかりしていると思っていました。理由をたずねてみると「教育費。主人には、塾代をいくら使っているか怖くて言えない」との返答でした。教育費は各ご家庭で考え方がさまざまなのですが、なかなかの難問です。 例えば夏季講習に通わせる場合、通常の講習に加えてオプションや模擬試験などがあります。「本人が受けたいと言った」「友だちが受けているので、どんどん追加してしまった」という話も多いです。それは本当に必要なのか、の見極めが難しい領域です。 前編で登場したAさんの話を聞いて、Bさんとダブりました。大きな買い物や派手な生活ぶりをしていたなら、Aさんも<使い過ぎ→赤字家計>に気づいたのではないでしょうか。そこで、家計に関しては1人で担うのではなく、家族で共有することが解決策になります。 子育て世代は教育費と住宅費などがかさむことで、家計がピンチになりやすいです。状況を伝えることは、家族で乗り切る一助になるはずです。
ひとごととは思えない事例 ~独立した子に借金が~
Cさんの息子は社会人3年目です。就職と同時に実家から独立し、独り暮らしを始めました。子育ても終わり、やれやれと思っていたのですが、先日息子さんからLINEが届きました。内容は「お父さんに内緒で80万円貸してほしい」。理由を聞くと「パソコンが壊れたので、急きょ買い替えが必要になった」とのことですが、パソコンの値段にしては高額すぎます。 さらに問いただすと、他のクレジットカードの支払いもあるようで“返済に充てたい”と。自分が貸さなければ、息子は他で調達することになります。放っておくと負のスパイラルに陥り、取り返しのつかないことになるかもしれません。 Cさんは息子にお金を貸すことにしました。息子さんとは返済計画について話し合い、現時点ではご主人には内緒です。80万円は大金なので計画どおりに返済されるか心配な点がありますが、返済計画は大事です。 「返済が難しくなったら計画を練り直す」という対処法もあります。母子なので臨機応変に対応できますが、借金をチャラにすることは教育上も絶対にしてはいけません。 入社3年目で職場環境にも慣れ、もろもろのお付き合いも増えた頃だと察します。親に頼ることなく、自分の稼いだお金をうまくコントロールできるようになれば、1人前の社会人として自信がつくと思います。 Bさん・Cさんの事例は、ともにごく普通にあり得る話です。しっかりした金銭感覚を持っている印象のおふたりにも、このようなピンチはやってきます。1人で抱え込まないで家族などに相談することが大切です。 借りたお金は必ず返済しなければならないことを肝に銘じて、気軽に借金に頼る生活から脱出すべきです。日々の生活の見直しから地道に始めてほしいと思います。 執筆者:宮﨑真紀子 ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
ファイナンシャルフィールド編集部