能登半島地震を生き延びた「奇跡のぶなしめじ」販売へ 石川・穴水町の被災した工場から持ち帰り育てる「復興の励みになれば」
復旧作業が一段落した5月中旬。能登工場から持ち帰った菌で「ぶなしめじ」が育つかテストしてみました。通常、菌つけから出荷までは100日前後で、菌を育てる「培養」にかける期間は約70日。 一方、能登工場の培養瓶は被災後、放置されていたため培養期間は200日余りと通常の3倍になっていました。
生育室が復旧していない能登工場に代わって、飯綱工場で瓶約3000本の生育を進めたところ、無事、成長することがわかりました。 ただ長期間の培養の影響か、大ぶりなものが目立ち、大きさもバラバラ。生育室に移されて10日後の様子を通常のものと比べると違いは一目瞭然です。
■うま味成分1.5倍!商品化へ
しかし、良いことも見つかりました。県工業技術総合センターで検査したところ、うま味成分であるグルタミン酸やアラニンが通常の約1.5倍含まれていたのです。 震災を生き延び、しかもうま味が増しました。 ミスズライフは「奇跡のぶなしめじ」として、売り出す方針を固めました。 ミスズライフ生産本部・小林光一 本部長: 「震災の中を生き残ったキノコというので本当に奇跡だと感じていますし、生き物の生命力はすごいんだというのを改めて感じた」
■通常のと食べ比べてみると?
2回目のテストで育てた「奇跡のぶなしめじ」。メディア向けに「奇跡のぶなしめじ」と通常のぶなしめじの食べ比べが行われました。 通常のぶなしめじと食べ比べてみるとー (記者リポート) 「まずは通常のぶなしめじから、次は『奇跡のぶなしめじ』。食感が違います、『奇跡のぶなしめじ』の方は、繊維質でかむ度にぶちっぶちっといったキノコの繊維を感じます。味は正直よくわかりませんでしたが、香りが『奇跡のぶなしめじ』のほうが強いと感じました」
小林本部長もー。 ミスズライフ生産本部・小林光一 本部長: 「うん、うまいっす。長い期間熟成しただけあって風味が強いと思う。食感も普通のものよりしっかりしている。ここまで普通においしいのであれば、皆さんに食べてもらって間違いないと思うので、それに向けて全力でいきたい」