衝撃的だった「アルト47万円」のキャッチフレーズ、空前の大ヒットを記録した初代『スズキ アルト』が日本自動車殿堂入り
1979年に登場した初代「スズキ アルト」が、特定非営利活動法人日本自動車殿堂の「歴史遺産車」に選定された。スズキの4輪車/2輪車が「歴史遺産車」に選定されるのは、2008年の「スズライト」、2020年の初代「ジムニー」、2022年の「GSX1100S KATANA」、「GSX750S」に続き、4回目となる。 ⇒【写真】空前の大ヒットを記録した初代『スズキ アルト』 日本自動車殿堂の「歴史遺産車」とは、日本の自動車の歴史に優れた足跡を残した名車を選定し、日本自動車殿堂に登録して長く伝承するというもの。
「軽自動車の原点」に立ち返ったシンプルで廉価な設計
初代「スズキ アルト」は、1979年5月に運転のしやすさ、使い勝手のよさ、経済性の高さなどを兼ね備えた実用的な軽自動車として発売され、新しい市場を切り拓いたモデルとして広く記憶されている。 軽乗用車「フロンテ」の商用として登場、排ガス規制と550cc規格への移行で軽自動車が低迷する中、「軽自動車の原点」に立ち返ったシンプルで廉価な設計、税制面でも有利な軽商用ボンネットバン(実質前席2人乗り)というコンセプト、全国統一47万円という車両価格はまさに衝撃的だった。 初代「アルト」は空前の大ヒット。軽ボンネットバンは軽自動車の主流となり、アルトはその後も時代にあわせて、45年、9代にわたって進化を続け、国内累計販売台数は約537万台となるスズキの軽自動車を代表するモデルとなっている。
アルトの本質は初代モデルから今も変わらず
今回の歴史遺産の選定では、「軽自動車の排気量が550ccへの拡大を機にその本質を捉え、ムダや飾りを省いた低価格車として登場し、当時低迷していた軽自動車市場を復活させ、今日の軽自動車の地位を確固たるものにした。」という点が評価された。 初代スズキ アルトの歴史遺産の選定について、 鈴木俊宏スズキ代表取締役社長は「アルトは1979年の発売以来、環境性能や安全性能をはじめとする、軽自動車を取り巻く社会環境やお客様のご要望にお応えし、進化を続けてきました。その中で『経済的で機能的』というアルトの本質は初代モデルから変わらずに脈々と受け継がれ、お客様の生活を支え続けています。今後もアルトらしい進化にご期待いただければ幸いです」とコメントしている。
文/近藤暁史 写真提供/スズキ
MonoMaxWeb編集部
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