【毎日書評】中小企業が勝てる!「売れる仕組み」を構成する3つのルール
タイトルからもわかるように、『小さな会社の売れる仕組み』(久野高司 著、フォレスト出版)のコンセプトは、“小さな会社の売れる仕組みの「全体像と組み立ての手順」をやさしく解説する”こと。 資本力やブランド力、知名度、大きな実績や華やかな経歴、他社にはない強みなどは、中小企業や個人事業主には縁遠いもの。つまり小さな会社に必要なのは、強い競合と戦わずに勝つための「売れる仕組み」が大切なのです。 著者は、資本力やブランド力のない市場弱者のための戦略的マーケティングを専門とする「みんなのマーケティング」代表、株式会社KACHI取締役。これまで、個人事業主や中小企業を中心に約3000件200業種を支援し、集客・売上アップ、利益率アップ、顧客層の改善などのサポートを行なってきたのだといいます。 本書は、市場の弱者である小さな会社が売れる仕組みを正しい手順で組み立てるための「マーケティング戦略思考の基礎」を日本一やさしく解説した本であると銘打っています。「市場の弱者」というのは、僕たちのような資本力、ブランド力、知名度、実績などを持たない個人事業主や中小企業を指しています。また、「やさしい」というのは「理解しやすい」「実践しやすい」「成果を出しやすい」という意味で使っています。(「本書のコンセプト」より) 紹介されている理論は、これまで多くのマーケティング関連書籍で紹介されてきた王道のマーケティング理論・プロセス(R→STP→MM→I→C)に即した内容だそう。しかし、そのままでは無機質で難しく、個人・中小企業と大企業では「売れる仕組み」を組み立てるうえでの前提も違ってくるはずです。 そこで本書では個人・中小企業向けに重要点をかみ砕き、体感的に理解・納得・実践できるような配慮がなされているのです。きょうはそのなかから、第1章「『仕組み』の全体像と3つのルール」に注目してみたいと思います。