沖縄のご当地サイダーを作る静岡の飲料 メーカー、いったいどんな会社?
社員全員が反対したカレーラムネ
こうした地サイダー、ユニークラムネは静岡県内の土産物店や高速道路のサービスエリア店舗等で販売され、観光客らが珍しさもあいまって購入しネットで拡散、話題になってさらなる売り上げにつながっている。 「カレーラムネの時は、社員全員から反対された」という木村社長。それでも発売に踏み切ったのは、「社員全員が反対するほどインパクトがある」という逆転の発想があったようだ。 そのカレーラムネも注文が殺到、社長の読みはズバリ的中したようだ。今や37カ国へ輸出もしており、「サイダーを日本の文化として広めていきたい」と木村社長の夢は広がっている。
実は再チャレンジ
一方、株式会社久米島の久米仙は、昭和24(1949)年に創業の沖縄・久米島に本社のある泡盛の製造・販売会社。久米島の恵まれた自然、豊かな気候風土の中、琉球泡盛を製造し、沖縄をはじめ日本各地さらにはアメリカや中国など海外にも販路を拡大しており、同社もまた、「泡盛を世界に広めていきたい」との思いがあるようだ。そんな久米島の久米仙と木村飲料の結びつきは、海外での出展を通してだという。「ブースが隣りになり、1週間も隣り同士ということもあった」(木村社長)という。 海外出展でつながりをもつようになった両社、実は5~6年前にも泡盛のもろみ酢を使用したサイダーに挑んだが、「もろみ酢を全面に出したため健康飲料のようなサイダーとなってしまった」(木村社長)とのことで、売れ行きも十分ではなかった。 そこで今年発売した「琉球泡水」は泡盛のもろみ酢を使用しつつも、味は黒糖風味と紅芋風味の2種類を作り、甘味のあるサイダーに仕上げたという。「琉球泡水に続いて、泡盛のサイダー割りの新商品も検討している」と木村社長。 久米島の久米仙×木村飲料の取り組みはまだまだ続くようだ。両社はともに地域の文化に根差して取り組んでいる地方企業。地域という点と点が結びつくことで何が生まれるのか、今後の展開に注目したい。