【特集】「楽しいから強くなる」滋賀県の強豪、多賀少年野球クラブが全国の舞台へ!“自分で考え自分で行動する”独自の指導法とは
全国大会。迎えたチームは…?!
全国大会前の滋賀での最後の練習日。 (辻󠄀監督) 「最後、日本一の練習してから行くで!思いっきりいけよ!それがそのまま現実になるからな!!」 「ストライク!!ほら走れ!」 (子どもたち) 「イェーイ!」 決勝戦で最終のバッターを三振に取って優勝するイメージの練習でした。
2023年8月5日、東京都の明治神宮野球場で「高円宮賜杯 全日本学童軟式野球大会」が行われ、厳しい予選を勝ち抜いた各都道府県の代表、51チームが一堂に会しました。大会はトーナメント形式で、今回シード枠の多賀少年野球クラブは、5回、連勝すれば優勝です。
試合前日のミーティングではチーム全員で初戦の対戦相手を分析します。 (A選手)「全部のピッチャーインコースが弱い」 (B選手)「結構速い」 (辻󠄀監督)「みんなやんけほな全部足速いやん、足あるやんけ」 (C選手)「ピッチャーはランナーがいるときでも、スロー(ボール)を使ってくる」 (一同)「あーー」 (辻󠄀監督)「ほなスローを投げた瞬間から盗塁に変えてもいけるってことやな」 子どもたちが自分たちで分析して考えた作戦は、足を使って攻撃をどんどん仕掛けることでした。 (辻󠄀監督) 「じゃあこの分析関係なく、力でねじ伏せるぞ!明日はええな! よし!いこう!」
8月7日迎えた初戦当日。 (毘優雅くん) 「懐かしいな、ここまじで」 毘優雅くんは無事、スターティングメンバ―に選ばれました。 辻󠄀監督が選手全員に声をかけます。 「試合終了ってなったら、ふにゃふにゃふにゃふにゃってなるくらい(体力)全部使い切ってしまおうや。90分で使い切ってしまうんやで、ええな!」 「はい!」 選手たちは元気に答えていました。
試合相手は宮城県代表、大崎ジュニアドラゴン。全国大会に何度も出場している強豪です。一点を追う3回裏。毘優雅くんに打席が回ってきます。大きくスイングした打球はレフトの頭上を越えるクリーンヒット。毘優雅くんは塁に出ました。スタンドからの声援が響きます。このあと、毘優雅くんは自分たちで考えた作戦通り、早速2塁への盗塁を狙い成功。さらに、相手の隙をつき、さらに3塁へ。次の打者のショートへの打球で飛び出した毘優雅くんは、三―本間で挟まれますが、足を使って揺さぶり相手の悪送球を誘って見事ホームイン。同点に!ベンチが大いに沸きます。その後のバッターもヒットが続き、見事逆転しました。しかし、ここで監督が全員を集めます。 (辻󠄀監督) 「体が止まってしもてる。これが全国大会の怖さや。分る?どんなに練習しても、どんなに振り込んでも、ここに来たらバットのスイングが全然振れへん。そういうことにならんように、後悔せんようにやってくれ、ええな。体を動かせよ、肩動かしたら全部動いてくるから体。止めんなや、自分で止めてるんやぞ自分で」 監督の目にはいつものチームと違って見えたのかもしれません。
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