【特集】「楽しいから強くなる」滋賀県の強豪、多賀少年野球クラブが全国の舞台へ!“自分で考え自分で行動する”独自の指導法とは
チームの強さの秘訣は大人の指示ではなく、自ら考えて動くこと。試合中の辻󠄀監督の掛け声も「自分で行け!自分で!」「勝手にやれ!勝手に!」。子どもたちは自ら考えて監督のサインなしでゲームを進めるのです。監督は良いプレーを全力でほめる。これが、「楽しくて強い」多賀の野球です。 (辻󠄀監督) 「楽しいが目標じゃないんですよ。勝利が目標なんです。育成が目標なんです。その手段として楽しむ方が早くうまくなるんじゃないか、楽しむほうが他のチームよりも早く強くなるんじゃないか。」 6年前から「楽しい野球」をはじめた多賀少年野球クラブは、全国大会2連覇を果たした優勝候補です。 (監督) 「楽しくて強かったら、こんなにいいことないじゃないですか」
レギュラーから外された悔しさをバネに
どんな時でも絶対に監督の隣を譲らない選手がいます。6年生の辻󠄀毘優雅(ひゅうが)くん。 (毘優雅くん) 「(隣にいると)監督の話とかいろいろ聞けるし、自分がランナーに出たときにそういうことが分かってるからやりやすい」 毘優雅くんは、2022年初めて出場した全国大会で緊張に飲まれてミスをしてしまい、 ベンチでゲームを見守りました。6年生になってからも一度、レギュラーから外されています。 (辻󠄀監督) 「(毘優雅くんは去年)全く動けなかったし、多分すごく後悔しながら1年間過ごしてる」 (毘優雅くん) 「全国の時に弱気なプレーをしてしまったから、元気な姿で試合に出てこいって監督に言われた。レギュラーじゃないから、もっと練習してみんなにもっと信頼されようと思った。」
毘優雅くんは、雪辱を果たすため、この1年、朝から晩まで自主練習を続けてきました。夜のグラウンドに毘優雅くんの父親・一将さんの声が響きます。「ワンバン!丁寧に!そう!いいね!今のいいやん」野球経験のある父親を中心に、家族も一丸となってサポートします。練習の成果か、きわどい打球も的確に処理できるようになっています。 (一将さん) 「すごく自信をつけてきてるのかなっていうのは、最近少し感じるようになってきましたね」 毘優雅くんは、家に戻っても素振りを繰り返します。 (毘優雅くん) 「みんなが遊んでる時間とか、そういう時間に自分がやった方がいいプレーができると思う」 Q.しんどくない? (毘優雅くん) 「楽しいからしんどいとかは思わへん」 チームメイトに毘優雅くんの印象を聞いてみると… (チームメイト) 「笑顔っすよ普段は」「めっちゃ努力してるな」「努力はしてる」「努力家」「ずっと野球やってる」 みんな毘優雅くんの努力を認めています。
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