メインディッシュ級のこだわり納豆、豆腐店が商品化 在来種の大豆で味しっかり、におい少なく 神戸
「メインディッシュとしても食べられる」をテーマにした納豆を、神戸市中央区の豆腐製造ベンチャー「RAVO(ラボ)」が商品化した。兵庫県内外で栽培された在来種の大豆にこだわり、複数の商品を今年9月に発売した。顧客の評判は上々で、リピーターも増えているという。 【写真】カラフルな色合いとアメコミ風デザインが目を引く納豆と豆腐のパッケージ 神原裕社長(41)は岡山市出身。神戸市内の大学を卒業後、会社勤務を経て飲食店で働くようになり、2016年に独立。RAVOを設立した。飲食店勤務時代に身に付けた「ターゲットを明確にして料理を作る癖」を生かし、神戸でイタリア料理店や中華料理店など最大4店舗を経営した。 19年ごろから新ビジネスを模索していたところ、新型コロナウイルス禍で外食需要が落ち込み、業態転換を決意。「日常的に冷蔵庫にある、家庭に近い商品を扱いたい」と考え、豆腐製造・販売に踏み切った。 22年、神戸・三宮に「YACCO(ヤッコ)豆富店」をオープン。豆腐の原料は、在来種の大豆にこだわった。「子どもの頃から日本の食文化を学び、素材の味を楽しんでほしい」との思いを込めたという。 続いて納豆の商品化に挑み、兵庫県佐用町産などの在来種の大豆を使用。在来種は品種や加工の仕方によって、甘みや粘りなどに違いが出やすいといい、大豆のゆで時間などのデータを細かく記録し、約1年間、試行錯誤を繰り返した。神原社長は「数値化することで、安定した納豆の製造が可能になった」と話す。 こうして青大豆の納豆のほか、ワカメやおかかショウガなど、一緒に混ぜて食べる食材を添えた商品など計6種類を発売。顧客からは「味がしっかりしてにおいも少なく、おかずの一品として楽しめる」と評価されたという。 「認知度が広がり、売り上げが少しずつ伸びてきた」と神原社長。「栄養価が高い大豆製品は幅広い世代で楽しめる。『子どもの体を作り、大人の体を守る』をコンセプトに、味をさらに工夫していきたい」と話している。 価格は390円から。神戸市中央区内に2店舗を展開するほか、オンラインショップや大丸神戸店などでも販売している。YACCO豆富店TEL078・587・2883 (三宅晃貴)