【エリザベス女王杯】4歳の「東京重賞勝ち馬」が複回収率224%! データで導く穴馬候補3頭
「東京重賞勝ち馬」の4歳馬が複回収率224% ラヴェル
2頭目はラヴェルを取り上げる。2歳時にアルテミスSでリバティアイランドを破った後は勝ち星から遠ざかっているが、近4走も着差は0.6秒以内にまとめている。 エリザベス女王杯では「東京重賞の勝ち馬」が好成績を残す傾向もある。過去10年で【5-8-7-29】複勝率40.8%、複回収率123%。なお、これも4歳に限ると【3-3-4-5】複勝率66.7%、複回収率224%という高い数字だ。 前記した府中牝馬S組の好調も一因だが、それだけでなくオークスやフローラS、アルテミスSといった世代限定の東京重賞を勝った馬も活躍している。直線が長い府中、いわば「王道」で結果を残してきた馬は侮れない。 該当馬はハーパーとラヴェルだが、近況を踏まえてラヴェルの方をピックアップした。4走前には今回と同じ舞台の京都記念に出走して5着にきている。 当時の勝ち馬プラダリアは宝塚記念4着、2着馬ベラジオオペラは大阪杯V、4着シュヴァリエローズも京都大賞典勝ちと、そこそこ強敵がそろっていた。2200m以上を使ったのはこの時とオークス4着の2回だけ。距離を延ばしての前進に期待が持てる。
京都芝2200mはキズナ産駒が大活躍 コンクシェル
ラストはコンクシェルを選ぶ。こちらもモリアーナの章で述べた「府中牝馬Sの9着以内馬」「4歳」というデータに合致する。それだけでも買い材料は十分なのだが、さらに血統的な後押しもある。 京都芝2200mでとにかく強いのがキズナ産駒。通算成績は【6-6-2-15】複勝率48.3%で、4角9番手以内に限れば【6-6-2-10】複勝率58.3%、単回収率184%、複回収率152%となっている。キズナの仔がある程度前目の位置を取れば、好走率、馬券妙味ともに非の打ち所がない。 キズナ産駒の芝中距離馬といえば、ディープボンドに代表されるように持続力勝負でしぶとく脚を伸ばし続けられる馬が多い。それが京都外回りの下り坂から始まる4ハロンスパート戦にマッチするのではないだろうか。 コンクシェル自身、重賞を勝った中山牝馬Sは残り1000mから11秒台のラップを4度刻み、レース上がり36.2秒の我慢比べに持ち込んでの逃げ切りだった。 ヴィクトリアマイルは前半3F33.8秒のハイペースでさすがに撃沈。府中牝馬Sは上位勢が軒並み32秒台~33秒台前半の上がりを使う競馬で、この馬の得意分野とはかけ離れていた。京都に替わり、今回は単騎逃げ濃厚なメンバー構成でもある。一発あって不思議ない。 <ライタープロフィール> 鈴木ユウヤ 東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
鈴木ユウヤ