QRコード、セルフオーダー端末など…パンデミックがレストラン業界に残したもの(海外)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックのさなか、感染拡大を最小限に抑えるために、レストランは大きな変化を迫られた。 【全画像をみる】QRコード、セルフオーダー端末など…パンデミックがレストラン業界に残したもの そうした変化のなかには、QRコードのメニュー、清掃基準の強化、テイクアウトの増加など、定着しているものもある。 ホスピタリティ業界の公衆衛生施策の多くは、歴史的に、感染症流行をきっかけにして導入されてきた。 かつて我々が知っていた外食の在り方は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの間に変化した。なかには、もう以前の姿には戻りそうもないものもある。 2020年3月、アメリカのレストラン業界は絶望に包まれていた。当時は、各州が次々にロックダウンに踏み切り、大人数での集まりが禁じられ、レストランは一時的に閉鎖されていた。 営業が再開された時には、ウイルスの拡散を防ぐための新たな対策が導入された。 「レストランで見られる公衆衛生規範の多くは、1918年に発生したインフルエンザ(スペイン風邪)のパンデミックの最中やその後に定められた。例えば、机などの表面の消毒と殺菌、温水基準の順守、手洗い用シンクの設置といったものだ」と語るのは、元レストラン経営者で、現在は「レストランHQ(The Restaurant HQ)」の編集者を務めるメアリー・キング(Mary King)だ。 「ですから、新型コロナウイルス感染症パンデミックの遺産が、ホスピタリティ業界に永続的に定着するのは当然のことなのです」 以下で、定着した変化をいくつか挙げていこう。
1. QRコード革命
レストランでQRコードを使うケースは、パンデミック中に急増した。もともと紙のメニューのかわりとして導入されたQRコードメニューは、いまではごくありふれたものになっている。 通常は、テーブル上のどこかにある印刷されたQRコードを、客が自身のスマートフォンのカメラで読みこみ、オンラインのメニューを表示する。それを使って、注文や支払いまでできることもある。 もちろん、利用が普及するにはいくつかの前提がある。技術リテラシー、スマートフォンの所持、安定したWiFi接続やモバイルデータ通信などだ。