ウクライナで拘束中の米国人ブロガーはなぜ死んだのか?ロシア侵攻正当化の疑いで治安当局逮捕 イーロン・マスク氏らも調査要求、米国政府は論評避ける
逮捕直後、ロシア外務省のザハロワ情報局長は逮捕を違法として非難する声明を発表していた。 ▽独立調査求める声も 米誌ニューズウィーク電子版やFOXニュースによると、米国務省広報担当者はリラ氏の死亡を確認した上で、「遺族に対し心からのお悔やみを申し上げる。あらゆる領事部門の支援を行う用意がある」としながらも「困難な状況にあるご遺族に配慮して、さらなるコメントはしない」と、リラ氏の死因や与えられた医療が適切だったかどうかなどについての論評を避けた。 筆者もリラ氏の死去を受け、SPRAVDIに対し、生前の同氏や遺族が主張する拷問の事実や不十分な医療提供について、メールでコメントを求めたが、原稿執筆時までに回答はなかった。 タス通信によると、ドイツの右派ポピュリスト政党「ドイツのための選択肢(AfD)」選出のベルンハルト・ジムニオク欧州議会議員は、欧州安保協力機構(OSCE)監督下で「リラ氏の死亡について独立的な調査」を行うべきだと主張した。
▽死ぬべきでなかった 複数の米メディアによると、リラ氏は動画投稿サイトなどで女性蔑視、反フェミニズム的な発言を繰り返していたが、ロシアのウクライナ侵攻後は、ロシアを擁護しウクライナを非難する発言が中心となり、同サイトやSNSなどで多くの視聴者を獲得していた。 しかし、その主張があまりに親ロシア的であることから「クレムリンのプロパガンダ」に利用されているとの批判も数多くあった。 リラ氏死去をSNSで初めて伝えた一人である英国人ジャーナリスト、キット・クラレンバーグ氏は、SNSで「私はほぼ全ての点で、彼の主張には同意できないが、彼はウクライナの拘束施設で死ぬべきではなかった」と語った。