大阪万博“一事が万事”のグタグダ感…「巨大リング」再利用に暗雲、広報体制すらままならず
大阪・関西万博がまるで盛り上がらないのもうなずける。来年4月開幕が迫っているのに、グダグダ感がハンパじゃないのだ。 【写真】松本人志の新プラットフォーム始動「来春あたり」はいつ?キモとなりそうな「4.13大阪万博開幕日」 大阪万博はテーマのひとつに「持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献」を掲げ、世界最大の木造建築である「大屋根リング」やパビリオンなど関連施設の閉幕後の再利用を見込む。ところが、リングの再利用は木材価格の下落などで需要が低迷、施設再利用も現時点でパビリオンやトイレの最大5棟にとどまっているという。 会場建設費は全体2350億円、リングだけでも約344億円に上る。このままでは万博開幕から半年後には、大枚はたいた建築物は再利用されず、“お役御免”になりかねない。 客入りも見通しが暗い。三菱総合研究所が23日に公表した万博に関する意識調査によると、万博に「行きたい」と回答したのは10月時点で24%。前回4月調査から3ポイント減少した。 開幕が近づくにつれて行きたくなくなる現象に、大阪府の吉村知事は「来年は万博イヤーなので、万博の中身をより具体的に発信していきたい」と鼻息荒い。宣伝強化に意欲を見せたが、肝心の広報体制もグダグダだ。 目玉の巨大リングの外周がつながった今年8月、吉村知事が「リングの愛称を公募すべきだと思う」とブチ上げて話題になった。その後どうなったのかが気になり、大阪府の万博推進局に問い合わせると、「大阪府・大阪市万博お問合せセンター」のオペレーターが「府・市では(愛称公募の)情報を持ち合わせていない」と回答。問い合わせ先として万博協会の「総合コンタクトセンター」を案内された。
広報体制すらままならない
仕方なく「コンタクトセンター」に連絡すると、協会の広報報道課が「府知事の発言に関する内容なので、府に問い合わせて欲しい」と、たらい回し。ラチが明かないため、今度は府の代表電話から万博推進局に直接取り次いでもらうようお願いしたが、オペレーターは「こちらから推進局に内線を回せないんです」と困った様子だった。 そこでメディア対応を担当する報道グループにつないでもらったのだが、こちらも「愛称公募については情報が共有されていない」とお手上げ状態。 結局、「万博推進局に折り返すように伝えます」(報道グループ)と言われたきり、25日までに回答はなかった。 単に「リングの愛称公募の件がどうなったか」を聞いているだけなのに、一事が万事この調子。誰が何に責任を負っているのか不明確なのだ。 万博に参加する海外要人は2000人規模に上るという。底抜けのグダグダぶりでは、警備体制にも不安が募るばかりである。 ◇ ◇ ◇ 大阪・関西万博の前売りチケットがてんで売れておらず、埋め合わせに税金が投入される可能性も否めない。●関連記事『【もっと読む】大阪万博チケットさっぱり売れず…1100万枚完売しないと赤字に、損益分岐点1840万枚なのに販売済み約744万枚』で詳報している。