ベイン、富士ソフトへのTOBで法的拘束力ある提案-1株9450円
(ブルームバーグ): 米ベインキャピタルは11日、富士ソフトの非公開化を目的とする取引について、法的拘束力のある提案を行っていると発表した。
公開買い付け(TOB)価格は1株当たり9450円で、10月下旬をめどにTOBを始める予定。先行してTOBを実施する米KKRの価格(8800円)を約7%上回る。国内金融機関からの融資とベインキャピタルからの出資で資金調達する。買い付け予定数の上限と下限は設定していない。ベインはTOBを予告していた。
富士ソフトを巡っては、KKRが9月から1回目のTOBを実施しており、21日が期限となっている。大株主である3Dインベストメント・パートナーズとファラロンからの応募により、第1回のTOB決済後に少なくとも32.68%を保有する見通し。2回目のTOBも価格は据え置いたまま、10月下旬から11月下旬に実施する予定だ。
KKRの広報担当者は12日、同社によるTOBは富士ソフトおよび全てのステークホルダーの利益に資するもので、対抗TOBに対して優位性があるとコメントした。
富士ソフトの資料によると、7月26日付でベインが提出していた提案は、KKRの最終提案を価格では5%上回っていた。ただその時点では法的拘束力がない提案であり、大株主の3Dから応募同意が得られていないことなどから、迅速性や実現可能性の点でKKR案が最善だとしていた。
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Natsuko Katsuki