井上尚弥が練習公開「グッドマンの土俵でも戦える」 技術&スタミナ戦にも自信「期待を超える試合を」30億円契約は「夢を与えた」
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ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が4日、神奈川・横浜市内の所属ジムで練習を公開した。24日に東京・有明アリーナでWBO&IBF1位サム・グッドマン(オーストラリア)と4団体防衛戦を予定。勝てば現役世界最多の世界戦通算24勝(歴代9位)になる一戦へ、調整具合などを明かした。戦績は31歳の井上が28勝(25KO)、26歳のグッドマンが19勝(8KO)。 【画像】「デカすぎ」「こんな化け物と…」 井上尚弥の練習パートナーと撮影した3ショットの画像 ムービーカメラ12台、約60人の報道陣が集まる中、井上は決戦へ胸を高鳴らせた。「今年3試合目ということで、コンディションも落とさず、維持してここまで来られているので問題ない」と万全を強調。「手応えも十分あるし、スタミナ練習もできている。技術もスタミナもどちらにせよ自信を持ったボクシングができる」と手応えを口にした。 3分×2回のシャドーでは鏡を見ながら基本動作を確認。ワンツーの連打などキレのある動きを披露した。2回のサンドバッグ打ちでは素早いフットワークを使いながら、左のボディー、フックのコンビネーションなどを見せた。計12分で汗をたっぷり流す様子は順調そのものだった。 7年ぶりの年間3試合。9月に元IBF王者TJ・ドヘニー(アイルランド)に7回TKO勝ちし、2度目の4団体防衛を果たした。スーパーフェザー級のジム内の選手や、メキシコと米国から招聘したパートナーとスパーリングを実施。10ラウンドの日も織り交ぜ、心身ともに研ぎ澄ませてきた。 「あとは怪我と体重、細かいところを中心にこなしたい。印象は試合が近づこうが関係ない。変わらずです。改めて言うほどの印象はないけど、自分の中で警戒すべき点と自分がこうしておかないといけない点を持ちながら練習している。この場では話せないけど、そういう意識でトレーニングしている。 無敗の相手ということで、必ずそこに意味があると思う。グッドマン自身は勝ちに徹するボクシングはうまい。でも、自分も強みは持っている。もちろん技術的にも、KOにもこだわりますが、自分の試合は初めてくるお客さんもいると思うので、最終的にボクシングの一つの醍醐味であるKOシーンを見せたい。逆にボクシングに詳しい方には細かい駆け引き、技術を見せたい」 90ラウンドのスパーを消化。アマチュアでパリ五輪代表の原田周大とも拳を交え、「グッドマンにもテンポ的にも似ているし、逆に海外から呼ぶ選手にはない細かい技術があるので今回お願いした。テンポも速いので慣れるまで大変ですが、それでもそのテンポでやり合うのはできたので、グッドマン戦でも手応えは掴めたかなと。接近戦でも、グッドマンの土俵でも戦える準備をしています」と口にした。 グッドマンは5月に井上がルイス・ネリ(メキシコ)を倒した東京D興行を視察。試合後はリングに上がり、対戦を約束していた。しかし、判定勝ちした7月のノンタイトル戦で左手を骨折。KO率42%は高くないが、23年3月のドヘニー戦で判定勝ちするなど試合巧者として全勝を守っている。井上は対抗するため、スピード向上を重視した調整を進めることを明かしていた。 井上が勝てば、スーパーミドル級で4度防衛したカネロこと世界4階級制覇王者サウル・アルバレス(メキシコ)に次ぐ3度目(世界2位)の4団体防衛。さらにカネロ、元世界ミドル級3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と並ぶ世界戦通算勝利数が現役単独最多の「24」になる。来春は米国での大型興行も候補。指名挑戦権を持つ元WBA王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が井上戦を熱望している。 11月にサウジアラビア最大のエンターテインメントフェスティバル「リヤド・シーズン」と推定1900万ドル(約30億円=発表当時)のスポンサーシップ契約を締結。試合用トランクスのベルト部分に「リヤド・シーズン」のロゴが入る。 「反響も凄くあったし、日本のボクシング、軽量級でそういう契約ができることで夢を与えたと思う。次の試合はロゴが入るので、自分としても楽しみ。2025年は海外開催を考えている。そのための大事な一戦。寒い日本で熱い試合を見せたい。皆さんの期待を超える試合を目指しているので、そこに期待していただきたい」と気合いを入れた。
THE ANSWER編集部