賞金女王を狙う渋野日向子の死角
日本中が注目する女子ゴルフ界のスマイル・シンデレラ、渋野日向子(20、RSK山陽放送)が出場していた「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」の最終日が29日、宮城の利府ゴルフ倶楽部で行われ15位スタートの渋野はスコアを伸ばせず通算イーブンパーの22位タイに終わり、2週連続の優勝を逃した。 渋野が現在目標に定めているのが、賞金ランキングのタイトル。奇跡の逆転優勝を果たした先週は「賞金女王を狙います」とギャラリーに宣言した。年間獲得賞金は既に1億円を突破し、新たに掲げた今季の最終ゴール。ツアーフル参戦1年目で賞金女王の座に就けばツアー史上初の快挙。さらに史上最年少での戴冠ともなるが、その可能性はどの程度あるのだろうか。 今大会で上積みした賞金は63万7000円にとどまり、女王の座を目指すためにクリアしなければならない、いくつかの死角も浮き彫りとなった。 まず最優先で着手すべきはグリーン周りの小技の強化だろう。 最終ラウンドは11番(パー3)から3連続ボギーを打った。6月の「ニチレイレディス」第2ラウンド以来となる事態。「3連続なんて久しぶりすぎますね。ニチレイ以来ですか…。やっぱり。いや、なんかボギーが来てカッチ~ンなって、次もボギーでカッチ~ンなって、13番も来て笑けました」と、おどけて話したが、内心は穏やかではないはずだ。 ティーショットでグリーンを外した11番はピンまで20ヤードのアプローチを4メートルも残した。パーオンに失敗した12番(パー4)はグリーン奥のバンカーからの3打目をピンまで3メートルにしかつけることができなかった。13番(パー4)も2打目でグリーンをとらえることができずに、奥からの3打目のアプローチは5メートルもショートした。 「13番は寄せづらいアプローチ。イメージは出ていたけど、あまり飛ばなかった。11番はショットもアプローチも全然ダメ。きょうはショットがポンコツで前半はアプローチで頑張ってガッツでパーを何とか取っていたけど、なんかもう一気にキレましたね」 前週の3日間はパー3を除き、42回のティーショットでフェアウエーをキープできたのはわずか22回しかなかった。最終ラウンドのパーオン率も53%。ショットの乱れがスコアメークに苦しんだ大きな原因だが、それをカバーするはずのアプローチの安定感の無さが気になる。