〔東京外為〕ドル、155円台半ば=「トリプルレッド」で上昇(14日午前9時)
14日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米大統領と上下両院を共和党が掌握する「トリプルレッド」の可能性が高まり、1ドル=155円台半ばに上昇した。午前9時は、155円40~43銭と前日(午後5時、155円10~11銭)比30銭のドル高・円安。 前日の米国時間の序盤は、10月の米CPI上昇率が前年同月比2.6%と市場予想と一致すると、FRBによる12月の利下げ観測がやや高まり、長期金利が急低下。ドル円は154円30銭台に下落した。中盤に向けては、トランプトレードを意識した長期金利の反転上昇を受けて買いが強まり、ドル円は155円60銭台と7月24日以来、約4カ月ぶりの高値を付けた。終盤は、利益確定や持ち高調整の売りに押され、155円40銭前後に軟化した。14日の東京早朝は、155円30~40銭台で小動き。 米メディアが、米下院選で共和党が過半数を制したと報じた。「トリプルレッド」となれば、トランプ次期米大統領が公約として掲げる関税や減税などの政策実現性が高まり、インフレを再加速させるとの見方が強まった。 東京市場のドル円は、トランプトレードによる金利先高観から、強地合いを維持する見込み。ただ、ドル円は上昇スピードが速く、「政府・日銀による介入が意識される」(FX会社)ため、上値追いには慎重となりそうだ。政府・当局者が口先介入のトーンを強めれば、「利益確定や持ち高調整の売りが出る」(外為仲介業者)とみられている。 ユーロ円は小幅安。ユーロドルは下落。独の政情不安などによるユーロ売りと、トランプトレードによるドル買いで、昨年11月以来、約1年ぶりの安値を付けた。午前9時は、1ユーロ=164円20~22銭(前日午後5時、164円45~47銭)、対ドルでは1.0565~0566ドル(同1.0602~0602ドル)。