フランス進出の日系企業は413社、2,221拠点 100年ぶり開催の夏季五輪大会、ブランディングに注目
産業別 卸売業、サービス業、小売業が20%を超える
フランスに所在する日系企業の拠点2,221カ所をSICコードで分類すると、産業別の最多はオフィス機器や産業用機械器具、医薬品・衛生用品などの卸売業の653拠点(構成比29.4%)だった。 以下、人材派遣業や広告代理などが含まれるサービス業の579拠点(同26.0%)、自動車や衣服などを扱う小売業の452拠点(同20.3%)、自動車部品などの製造業287拠点(同12.9%)、金融・保険及び不動産業の128拠点(同5.7%)、運輸・郵便・電気・ガス・及び衛生サービスの75拠点(同3.3%)と続く。
業種別 卸売業(耐久消費財)が最多
産業を細分化した業種別では、卸売業(耐久消費財)の497拠点(構成比22.3%)が最多だった。 次いで、事業関連サービス業の444拠点(同19.9%)、自動車小売業、ガソリンスタンドの223拠点(同10.0%)、服飾品小売業160拠点(同7.2%)、卸売業(消耗品)156拠点(同7.0%)と続く。
*日系企業の産業別 製造業が最多
フランスに進出する日系企業413社をTSR業種コードで分類した。産業別では、製造業の212社(構成比51.3%)が最多だった。次いで、サービス業他の99社(同23.9%)、卸売業36社(同8.7%)と続く。 日系企業は1社あたり約5.4カ所の拠点を展開している。ゴム製品や情報通信機械の日系メーカー212社は、フランスに1,127拠点を構えている。また、人材サービスや広告代理店などのサービス業他99社は780拠点を展開する。 ◇ ◇ ◇ フランスに進出する日系企業(支配権50%以上)は413社で、2,221拠点を展開している。世界戦略を進める卸売業や小売業、製造業などの日系企業は、フランス各地に複数の拠点を持つ。 フランスの有力ブランドは、自動車メーカーではルノーやプジョー、シトロエンなどがあり、この他にもタイヤのミシュラン、エルメス、LVMHなどがそれぞれ世界をリードしている。 また、フランスは国土の半分が農用地で、小麦やとうもろこし、ワイン原料のぶどうなどが有名で、EU最大の農業生産額(2021年)を誇る。だが、農業・林業、漁業は、参入障壁が高く、日系企業の進出は鈍いようだ。仏政府が国有化したフランス電力があるため、新規参入に時間を要する運輸・郵便・電気・ガスなどは29社、75拠点。金融・保険・及び不動産業は78社、128拠点にとどまっている。 D&B社の「グローバル倒産レポート2023」によると、フランスの2023年の企業倒産はコロナ関連の政府支援打ち切りや緩和政策の撤回などで、5万7,731件(前年比35.6%増)と大幅に増加している。 今回の調査と抽出方法は異なるが、外務省が公開した「海外進出日系企業拠点数調査」によると、フランスの企業拠点総数は、2019年に703社だったのが、2022年は794社に増加した。コロナ禍の制限があっても、日系企業の海外進出は続いている。 フランスで100年ぶりの夏季オリンピック開催は、世界中の企業にとって製品やサービスを宣伝する最高の舞台になる。その中で日系企業のブランディングがどう展開されるか、注目される。