「GHCナショナル王者」征矢学、「ちゃんこ対決」仕掛けるも「疑惑」浮上でマサ北宮に完敗…判定に逆ギレ「仕込みだろ!」…1・1日本武道館で激突【後編】
プロレスリング・ノアの1・1日本武道館大会でマサ北宮の挑戦を受けるGHCナショナル王者・征矢学が24日、埼玉県内のノア道場で北宮との「ちゃんこ対決」を敢行した。 この日、クリスマスイブの道場で北宮が練習を公開した。北宮が呼びつけたのは、日刊スポーツの40代記者、デイリースポーツの50代後半記者、そしてスポーツ報知の50代記者とクリスマスとはまったく縁がない初老記者3人だった。 道場で首を徹底的に鍛える特訓を公開した北宮は、練習後に特製のみそちゃんこを記者3人に振る舞った。取材を終え、北宮は「日焼けサロン」へ向かったため、報道陣も原稿を書こうと帰り支度を整えた時だった。征矢が道場に出現した。 「みなさん、お待たせしました」 聞いたこともないようなねこなで声と共に両手にはガスコンロにのせた黒い鍋を持っていた。聞けば、北宮の公開練習を聞きつけ、急きょ、道場に駆けつけたという。さらに、関係者から北宮がちゃんこを振る舞ったことを知ると、「負けたくない」と自らもお手製のちゃんこを用意したのだ。 机の上にコンロを置くと鍋には真っ赤なチゲ鍋がぐつぐつと煮えていた。まるで北宮に対抗するように記者にちゃんこを振る舞った征矢のチゲ鍋は、唐辛子とにんにくが食欲を増すこの季節にはピッタリの温かなスープだった。ダシの秘密を聞くと「企業秘密です。豚と海鮮も入ってます。野菜本来のうまみをダシとマッチするように」と胸を張り「隠し味はないんですけど、本来の味で勝負しています。にんじん、白菜…いろいろ入っていますけど本来の味を生かす。プロレスと同じです。ちゃんこはダシだけじゃなくて、野菜やひとつ、ひとつの味を生かすってひとつのちゃんこが作られているんで、そこにこだわってます。ちゃんこ作るのに」とちゃんこ作りの持論を流ちょうに並べた。 ちゃんこの話題は、おなかいっぱいとなったところで元日決戦への思いを聞くと「GHCナショナルを情熱ベルトとして確立したものを作りたい」などと不退転の決意を吐露。チゲ鍋も真っ赤なベルトにちなんだかと思いきや「情熱に色はないんです。たまたま赤いチゲだっただけで、そこまで深い意味はないです」と肩すかしした。 取材も終わり、3人が箸を置くと「どうですか?北宮と私のどっちがおいしかったですか」ともみ手で問いかけ「答えは出ているんじゃないでしょうか?」と20年ほど前の人気テレビ番組「どっちの料理ショー」ばりに判定を仰いだ。 日刊、デイリー、報知の3人の記者が判定に入った時、ルーキーの小田嶋大樹が「お疲れさまです!これどうしたらいいでしょうか?」と征矢に尋ねた。小田嶋の両手には大手コンビニエンスストアが販売する「8品目具材のうま味が効いた 旨辛チゲ」の空き袋が…。慌てて目が泳ぐ征矢は小田嶋へ「いい、いい…オレが片すから」と制すると、何事もなかったように「とにかく私が作ったちゃんことどっちがおいしかったのか判定してくだされば」と迫った。 自らが作ったといいながら、明らかにコンビニの商品をあたためた疑惑に記者3人全員は北宮に軍配を上げた。これに「仕込みだろ!3人で!それが心の答えなんですか!」と詰問。納得いかず再度、判定を仰いだが結果は3―0で変わらず。自らが仕掛けた「ちゃんこ対決」に完敗した征矢。あきれ果てたのか小田嶋もいつのまにか道場から去った。武道館決戦へ「疑惑のちゃんこ」でミソを付けた征矢は、だった広い道場で1人鍋とチゲ鍋の空き袋を片付けていた。 (福留 崇広) ◆1・1日本武道館大会全対戦カード ▼ダブルメインイベント2・GHCヘビー級選手権試合 王者・清宮海斗 VS 挑戦者・OZAWA ▼ダブルメインイベント1・スペシャルシングルマッチ NEW YEAR FIRST DREAM 中邑真輔 VS 佐々木憂流迦 ▼GHCタッグ選手権試合 王者組・丸藤正道、杉浦貴 VS 挑戦者組・ジャック・モリス、X ▼GHCナショナル選手権試合 王者・征矢学 VS 挑戦者・マサ北宮 ▼GHCジュニアヘビー級選手権試合 60分3本勝負 王者・ダガ VS 挑戦者・Eita ▼第5試合・スペシャルシングルマッチ 拳王 VS “想い人”KENTA ▼第4試合・シングルマッチ Brother vs Brother イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr. VS ガレノ・デル・マル ▼第3試合・シングルマッチ1分1本勝負 藤田和之 vs 小田嶋大樹 ▼第2試合・8人タッグマッチ NEW YEAR LIMIT BREAK 潮崎豪、モハメド ヨネ、小峠篤司、大原はじめ VS 藤田和之、石川修司、遠藤哲哉、ブラックめんそーれ ▼GHCジュニアヘビー級タッグ選手権試合/3WAYマッチ 王者組・HAYATA、YO―HEY VS 挑戦者組・AMAKUSA、宮脇純太 VS 挑戦者組・アレハンドロ、カイ・フジムラ ※最初に勝利したチームが、この試合の勝者。 ▼ダークマッチ・NOAH THE RUMBLE(午後3時15分・試合開始 出場選手→小田嶋大樹、大和田侑、晴斗希、谷口周平、タダスケ、菊池悠斗ほか全13選手が出場。 ※2名の選手の対戦から開始、60秒ごとに選手が入場し対戦に加わっていく全13選手によるランブル戦。勝敗は、フォール、ギブアップの他にトップロープ越しに場外に落ちると失格となる「オーバー・ザ・トップロープ」形式を採用。優勝者にはどのGHCタイトルにも挑戦できる権利が与えられる。
報知新聞社