【選手権・注目タレント#17】三笘を見るたびに――。そのドリブラーはより進化した
12月28日から来年1月8日まで首都圏内で熱戦が展開される第102回全国高校サッカー選手権。この冬の檜舞台でヒーローとなるのは誰か――。サッカー専門新聞エル・ゴラッソ発行「高校サッカー名鑑」の協力の下、注目タレントをピックアップした。必見の注目選手を紹介する。 【17】MF安齋悠人(尚志/3年) 高校年代屈指のドリブラーだ。両足での滑らかなボールタッチと鋭いボディシェイプ。相手の出方を見てカットインと縦突破を使い分けることができ、シュートとクロスの質も高い。今年7月に右太腿裏を肉離れするケガを負い、しばらく離脱していたものの、ここで自身がずっと感じていた課題に取り組んだ。己のドリブルを研究すればするほど、安齋悠人は“上半身のパワーが足りないこと”を悟ったという。「三笘薫選手(ブライトン)のプレーをずっと参考にしていた。三笘選手は相手の懐やボックス内に入っていくときに腕を使っていて、グイッと相手を抑え込みながら前に出ている。そのプレーを見るたびに、『それがないと僕も上にはいけない』と感じていた」 ケガで時間ができたこの期間、トレーナーとともに腕まわりの強さと肩甲骨の可動域に気を配り、相手を抑えながら前へのパワーを出せるような体作りを徹底した。結果、ドリブルのキレは増し、質はさらに上がることとなる。二の腕も太くなり、実際にハンドオフで前に入っていく仕掛けを披露するなど、相手にとってはより厄介なドリブラーへと変貌を遂げている。 高校最後の選手権。その“進化したドリブル”でわれわれ観衆を沸かせてくれるだろう。 (文=安藤隆人)