緑川創と左右田泰臣が並ぶ

　12月31日『LIFETIME BOXING FIGHT 25』（大田区総合体育館）では、元キックボクシング世界王者の緑川創（38=K‘S）が［72kg契約6回戦］でプロボクシング初、デビュー2戦目で4R1分31秒 TKO勝利を飾った。 　緑川は試合中、拳を痛めたことを後に明かしていたが、元K-1で盟友の左右田泰臣（36）は「彼には良い武器がある」と勝てると思っていたと言う。 【フォト】緑川の豪快なフック、アッパー！相手の目が大きく腫れる、TKO勝ちの瞬間 　緑川は新日本キックでウェルター級王座と、WKBA世界スーパーウェルター級王座を獲得し23年3月の『NO KICK NO LIFE』引退試合で海人と対戦し流血しながら３RでKO負けするも激闘を展開した。 　そして24年10月にデビューし、71kg契約6回戦で中国戦士と打ち合いも、始終試合をリードし判定勝利した。 　今回の相手は23戦のベテラン為田真生（39=日立）。緑川は序盤から圧力をかけ優勢に攻めると、右フック、アッパー、ボディが冴え渡る。次第に為田の右目が大きく腫れ始め、4Rの連打でレフェリーが割って入り、目の腫れを見て試合をストップした。 　試合後、緑川に話を聞くと「いろいろ試したかった」と話す。1R終了後、拳が痛かったという緑川は「相手の頭を殴っちゃって。大したことはないと思うけど」とのこと。以降ボディ、アッパー、フックと打ち分け、拳をやや痛めたことが、かえって意識していた多くの技を試せたようだ。 　セコンドについた同じくキックからの転向組で盟友の左右田泰臣は、今回の試合前に緑川とスパーリングを重ねていたと言う。左右田はSウェルター級で、11月には日本王座の挑戦者決定戦に出場も、惜しくも敗れている。 　試合をどう見ていたか聞くと「彼には良い武器がある。僕が思うに、最大の武器です」とその”武器”がいつ飛び出すか見守っていたと言う。 　それはどのような技か聞くと「それは言わないんですけど、緑川君の武器なんで」と濁すが「倒すパターンはこれだな、というものがある。今回、その感じは出ていた」と”必殺技”が実戦使用に近づいてきていると見る。 　左右田は「僕も全然もらいます」と、既に9戦を経験する左右田も食らうことがあると言う。 　緑川自身、試合後の囲み取材では「パワーファイターと見られがちですが、実はテクニシャンだと思っています」と笑っていたが、その後の左右田の取材で納得した。特にアッパーは不思議なくらいバンバン当たっていた。 　最後に左右田は「（緑川は）凄くボクサーになった」と緑川の成長を喜ぶ。 　緑川は”最大の武器”を磨き25年、どこまで突き進むか。