「よくできたね」は禁句です!部下、後輩への〈ほめ方〉で損する人・得する人の「決定的な違い」
「上から目線」のフレーズは避けよう
【損】よくできたね ↓ 【得】◯◯さんのおかげで助かりました 上から目線には要注意です。「よくできたね」「いい仕事ぶりでしたね」というのは一見ポジティブに思えますが、全体を丸ごと評価するのは漠然としすぎています。何より偉い人が労うようなフレーズになりやすいわけです。 賞賛ではなく、感謝を伝えていくのがほめ方の基本です。「◯◯さんのおかげで助かりました」と伝えることで、具体的な貢献を明確にしながら、あなたから見た感謝ポイントを盛り込むことができます。 具体的なシチュエーションで見てみましょう。プロジェクトの進捗が遅れている中で、チームメンバーが特定のタスクを迅速かつ正確に完了してくれました。 「◯◯さんの進行のおかげでスケジュールが守られたし、プロジェクトもスムーズになりました。本当に助かりました」と伝える。そもそもの情報量が違いますが、ほめるときに良かったところや感謝すべきポイントを省略するべきではありませんし、それを省けるような魔法のフレーズはありません。 こまめに、しっかりと、あなたが感じた感謝を言葉にしていくことが肝心です。相手の具体的な貢献を理解し、それをきちんと表現し、感謝の気持ちを述べる。ここを楽しようとすると、あっという間に上から目線のフレーズができあがってしまいます。
「具体的な行動」を明確にして感謝する
【損】みんな優秀ですね ↓ 【得】みんなの丁寧な確認のおかげです 「みんなちがって、みんないい」という金子みすゞさんの詩にあるように、せっかくの異なる個性や努力をデフォルメしてまとめてしまうのは損する伝え方です。「みんなの丁寧な確認のおかげです」と、具体的な行動を明確にし、そこに感謝をする。たったこれだけで、印象はガラリと変わります。 例えば、品質管理チームが製品のテストを行い、エラーを未然に防いだとしましょう。「さすが優秀ですね」という伝え方では能力を漠然とほめているだけで、効果的とは言えません。 「みんなの丁寧な確認のおかげで、エラーを未然に防ぐことができました」という表現なら、特定の行動や頑張りがきちんと結果につながっていることが伝わり、同様の行動を続けていこうというチーム全体の意欲が生まれやすくなります。努力、アウトプット、取り組みなどをピックアップして、言及するのが肝心です。 チームの一体感を大切にするあまり、「みんなありがとう」と集団全体に感謝を伝えておしまい、はもったいないです。一人ひとり担当したことも得意不得意も異なりますから、区別して伝えるべきです。 えこひいきしようということではありません。小さなチームであっても、組織は個人の集まりですから、1対多数ではなく1対1のコミュニケーションを積み重ねる意識で感謝を伝えていきましょう。