メジャー驚愕の柳田サヨナラ逆転弾を演出した稲葉監督「苦渋の選択」
アンダースローの高橋礼はMLBに通用する
ソフトバンクがポストシーズンでフル回転させたアンダーハンド、高橋礼も、対MLB用の秘密兵器として計算が立った。2イニングを投げ、打たれたのはモリーナに許したセンター前ヒット1本だけ。ほとんどの打者のタイミングを完全に外して、岡田明丈(広島)から規格外の本塁打を放っている5番打者のソトも、高橋礼のピッチングには幻惑され、スイングアウト。 「同じようなピッチャーを2、3人見たことはあるが、フォームもまったく違い、シンカーにキレがあった」 試合後ナ・リーグの新人王候補は、そう嘆いた。 稲葉監督に監督経験はないが、豊富な国際経験に加え、彼には指導者としてのセンスがあるのだろう。 だが、すべてがうまくいったわけではない。 課題も残った。 3回にはエンドランを成功させて一死二、三塁から菊池のショートゴロの間にノーヒットで1点は取ったが、6回には無死三塁のチャンスを得点につなげることができなかった。せかっく強肩・モリーナを相手に回しながら、ベンチが綿密にタイミングをうかがい盗塁を決めているのだが、得点方法の効率はよくなかった。 「点を取れるときに取っておかないといけない、と特に思った。ジャパンとして、例えば、無死二、三塁で最初からセカンドゴロを打ちにいくわけじゃないが、(セカンドゴロで)1点を取って、なお三塁という場面を作っていかなくちゃいけない。それを野手の皆さんにお願いすることを明日ミーティングで話をしたい」 シーズン中に広島や西武がよくやった“ソツのない野球”を東京五輪へ向けて稲葉ジャパンの共通言語としていかねばならない。今日10日の第2戦(東京ドーム)には、今季11勝6敗、防御率3.16の上沢直之(日ハム)が先発マウンドに立つ。