準決勝で敗退した星稜ナイン

◆春季北信越高校野球大会　▽準決勝　東京都市大塩尻９－７星稜＝延長１１回タイブレーク＝（３日・富山市民） 　星稜（石川県１位）は、７－９で東京都市大塩尻（長野県１位）に敗れ、決勝進出を逃した。序盤から守備でミスを連発し、まさかの５失策を記録。初回からミス絡みの失点が続き、タイブレークとなった延長１０回にも送球ミスなどで３失点。攻守で流れを呼び込めず、８回から登板したエース左腕、佐宗翼（３年）も６失点（自責点１）を喫した。山下智将監督は「守備や走塁、記録にないエラー…、こんなにミスが出れば勝てない。もともとリズムを作って攻撃に入るスタイル。相手の勝利への気持ちが強いのか、うちが足りないのか。何が原因か、わかりません」と振り返った。 　安定した投手力と、鉄壁の守備を武器に、昨秋の明治神宮大会で優勝。今春のセンバツでは４強入りを果たした。今春の県大会５試合に加え、今大会の初戦まで無失策試合を継続してきたが、この日は初回から送球ミスや暴投、４回にも守備と送球ミスもあって失点を重ねた。キャプテンの芦硲晃太中堅手（３年）は「こんなにミスが多いのは初めて。相手の攻撃が今までに無い形で、想定しきれずに焦ってしまった」と肩を落とした。 　敗れはしたが、最速１４０キロ右腕、織田晟牙（１年）が公式戦初先発し、２回まで３Ｋ、１失点と力投した。１８２センチ、７９キロと恵まれた体格で、星稜中では全国大会で３位に貢献。織田は「速いストレートとスライダーが自分の武器。マウンドが硬かったので、慣れるまで腕を振りながら投げました」と振り返った。先発に抜擢した山下監督は「夏に向けて佐宗や道本に頼っているところがある。守備が足を引っ張ったが、ストレートは走っていた」と合格点。ネット裏で視察していたスカウトも、その将来性に期待を寄せた。 　県大会、北信越大会で続いていた連勝は２０でストップ。山下監督は「本当に甲子園に行く気があるのか、甲子園の頂点を目指す気があるのか、まずはそこからです」と話せば、芦硲主将は「今のままでは甲子園は遠いです。チームが一つにならないと」と危機感を募らせる。勝負の夏に向け、足元から見つめ直す。（中田　康博）